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台湾漫画から日本漫画へ

近年、仕事のやり取りはメールやリモートが可能で、漫画制作もPCやiPad Proなどのデジタル機材とWi-Fi環境、漫画制作の技術があれば漫画が描けるようになり、遠く離れた外国でも仕事ができるようになりました。

数年前とは違い、漫画家は場所を選ばず仕事ができる環境になりました。それは、現代の漫画家の強みでもあると思います。

日本連載での最初の壁

Salah-Dは長年、台湾漫画の執筆をしていたため、日本漫画への挑戦は大きなものでした。まずクリアしないといけないことは【言葉の壁】ではないでしょうか。

Salah-Dは幼い頃から日本のアニメや文化に触れ、日本に馴染みがあります。
日常会話程度の日本語は習得済みで日本のカルチャーからの影響も多く、知識も豊富です。しかし、日本漫画特有の言葉のニュアンスを表現するなど…難しいと思うこともしばしば。

近年、外国のクリエイターが日本で活躍していますが、言語のサポートをするスタッフが本当に必要だと思います。私もSalah-Dをサポートするひとりですが、頑張っていければと。日々試行錯誤です。
言語のことについては、またどこかで書ければと思います。

日本で漫画を連載する前に

日本出版社からの依頼は、流行りのいわゆる『異世界モノ』のWEB小説漫画化でした。

Salah-Dはこれまで、原作ありの漫画を描いたことはありましたが、全て台湾漫画だったので、日本人向けに描いたことはありませんでした。
その為、連載準備期間には、日本人の読者向けに合う絵柄の研究をかなりしていた印象です。

現在の連載漫画は、日本の漫画の流行りや読者の好み、自分のスタイル、原作の世界観などに合わせて絵柄を変えています。

台湾漫画と日本漫画の価値観の違い

Salah-Dの台湾漫画『陰間絛例』は台北で舞台化された代表作なのですが、現在日本で連載中の『クラス≪無職≫の英雄譚 ~公爵家を追放されたが、実は殴っただけでスキルを獲得できるとわかり、大陸一の英雄に上り詰める~』と比べてみると絵柄の違いが一目標然だと思います。

台湾漫画 代表作『陰間絛例』単行本 書影
『クラス≪無職≫の英雄譚 ~公爵家を追放されたが、実は殴っただけでスキルを獲得できるとわかり、大陸一の英雄に上り詰める~』
原作:アメカワ・リーチ 漫画:Salah-D
第1話 表紙

台湾漫画と日本漫画では同じファンタジーモノでも色味や絵柄の好み、読者層などによっても違います。詳しくは別記事で書ければと思います。
日本漫画では、出版社や雑誌によっても特色が全然違うのでもっと細かい違いがあるかもしれませんね。

キャラ設定・世界観などは作品ごとに変えていますが、Salah-Dの作品に共通していることは【絵柄の見やすさ】です。

これは、台湾でも日本でもありがたいことに定評があります。
そこは注目してみていただければと思います。
現在、青年誌で連載中なので男性読者が多いと思うのですが、台湾での読者は女性が多いので、女性でも絵柄が好みという方は、Salah-Dの漫画を楽しめるのではないでしょうか。

最後まで、記事をお読みいただきありがとうございます。

現在、Salah-Dは単行本第1巻発売中です。
気になったという方は、試し読みだけでも読んでいただけると嬉しいです。

次回も、Salah-Dの魅力について記事を書ければと思います。

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