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【資格】社会人になってから簿記2級と3級を取得した話

私は外資系企業で5年ほど勤務しており、社会人3年目および4年目のタイミングでそれぞれ簿記3級と簿記2級を取得しました。この記事では、簿記を取得するために実践した勉強方法や実際に簿記を取ったことで得られた利益や所感をご紹介します。

簿記を学び始めた経緯

私は外資系企業で勤務しており、直近の3年間はプロジェクトマネージャーとして働いています。業務内容を詳しくお伝えすることはできませんが、ローンチ関連のプロジェクトを担当しています。

一連の業務の中で、あるローンチプロジェクトを本当に実施するか投資判断するフェーズがあり、そこでは財務部門と連携して投資判断のためのシミュレーションを行います。いわゆるROI(Return On Investment)を測定するのですが、着任して間もない頃は、そのROIの詳細が分からず、どの要素がネガティブなインパクトをもたらしているのかであったり、このROIをどう評価するべきなのかが分からず、ただただ財務部門が作成したROIを関係者に横流しする、という立ち回りをしてしまっていました。

プロジェクトマネージャーとしての価値を生み出すため、最低限ROIがどのような仕組みの下で計算されており、何が問題でありどう対応すべきかが判断できるようになりたいと思いました。そういった悩みを上司に相談したところ、「理解の第一歩として簿記を勉強してみると良い」「ある程度求められる知識を身につけるには簿記2級まで取得するのが良い」とアドバイスしてもらい、簿記の勉強を始めることとなりました。

簿記の勉強方法

簿記の勉強方法は明確です。市販のテキストと問題集を購入して勉強します。3級でも2級でも大した差はありません。

私がおすすめする教材はTAC出版のよくわかる簿記シリーズです。

3級はこちらです。

2級は商業簿記と工業簿記の2種類を学ぶ必要があり、それぞれでテキストが分かれています。

なぜこのシリーズがおすすめかというと、簿記合格のために必要な知識を網羅しており、追加のテキストを購入する必要がないためです。個別の論点に関してかなり詳細にまとめられているため、一読してすんなり理解できるわけではないですが、このテキストさえ読めば大丈夫だろう、という安心感を与えてくれます。

一通り、テキストの内容が身についたら、同シリーズの本試験問題集で試験対策をすればOKです。

2級を目指す人は3級を勉強する必要があるか?

簿記2級を取得したいと思っている方で、この疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか?

この問いに対する私の回答は「初学者は3級から学習すべき」です。

多くの初学者は簿記がそもそも何なのかを十分に理解していないのではないかと思います。複式簿記の仕組みや帳簿がどのようなものなのかが身についていない状態でいきなり2級の学習を進めてもおそらくワケが分からず挫折してしまうでしょう。ですので、基本的には3級で基礎知識をつけて、2級に挑むというのが王道と考えます。

学習のポイント

初学者にとって複式簿記の概念を理解するとことが第一関門です。最初は何を意味しているか理解できないと思いますが、まずは実際に自分でペンをとって仕訳を書いてみてください。何度も繰り返していくうちに、なるほどそういうことか、と理解が後からついてきてくれます。

また、よくわかる簿記シリーズには合格トレーニングという問題集があります。試験合格を目標とするのであれば、この合格トレーニングはあまり買う必要がありません。合格テキストは章ごとに学習を進める構成になっており、合格トレーニングはその章ごとの知識を補強するための問題が集められています。これらは試験に沿った出題内容ではないため、「勉強のための勉強」という特徴が強いです。

簿記を学んで良かったこと(悪かったこと)

実際に簿記を学習して良かったことが明確にあります。

それは、当初の目的の通り、ROIの仕組みの理解の一助となったことです。たとえば、「お金を支払うこと」と「費用」の違いであったり、減価償却の概念や仕組みであったり、会計の基礎となる知識を身に着けることができました。実際ROIを自分で作成することができるかといえばNOですが、ROIを見ながら財務部門とコミュニケーションをとるレベルには達したというのが感覚です。

悪かったこと、というよりも期待外れだったこととしては、財務諸表の評価ができるようにはならなかったということです。財務諸表をみて、この企業の財務状況は健全だ、とか、税務署表のうちどの部分に問題がある、というような評価ができるようにはならないものでした。また、投資をやる中で企業分析をするための知識としては、簿記2級まで取っても不十分だと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

就職活動の一環として学生時代に簿記を取得する人も多いと思いますが、会社員になって業務上必要になってから学習をした方が「ああ、これってこういうことね」と理解が身に付きやすいし、知識を実際に活用することができるので良かったなと感じています。

メジャーな資格であるにもかかわらず、実は内容は地味に難しいですが、必ずみなさんにとっていい学びになると思いますのでぜひ挑戦してみてください。


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