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虎に翼58話(一美)

多岐川道男少年は 歳は
16か17ぐらいか?
昼間  君の家には ご婦人しか居ない。そう考えると  預かったのは軽率な判断だったかも知れん。
自分の身だけで収まらん善意は  身内がシンドいだけだしなぁ」

小橋「そう!俺は そういう部分も言ってるんです!」

多岐川「ただ   理想の為に もがく人間に“やいのやいの" 口だけ出すのも いささか軽率だ  とは俺は思う」

釘を刺される 小橋

寅子「少年部を手伝って
急いで預かり先をみつけますので  何日かは早めに あがらせていただけないでしょうか?」

多岐川「そりゃ無理だ。
君、明日から俺と一緒に
全国の家庭裁判所を回って
意見交換と現地視察をするから」

寅子「え、えーっ‼︎」

…………
明日から 寅子 出張
そんな猪爪家の 夕食時

道男「心配しなくても  もう悪さは しねぇよ」

道男「俺  ばあちゃん(=はるさん)の財布盗んで逃げようとしたんだ」と打ち明ける。

……………
「しけてんなぁ」←道男
その様子を見た   はる
「そう  わが家には お金なんてありませんよ。
はした金 盗んで逃げるより    
この家の手伝いをして    
三食 食べて   あったかい
お布団で寝る方が  お得🉐じゃありませんか?」

道男「確かに そうだよな。
このばあちゃん  頭イイよ」
…………
夜も更けて…
直明道男

直明「僕が関わっている子ども達は  誰も『君のことを悪く言わない
道男は 集団でスリをして
小さい子や女の子を守っていたんだよね。
僕は 助けになりたいんだ」
と、申し出る

道男「『いい奴なら助けてやる』って…
じゃあ『悪い奴助けない』ってこと?
あんた  そうやって
“自分が良い事した" って思って  気持ちが良くなりたいだけなんじゃないの?」

道男「どいつもこいつも
いい奴ぶりやがって‼︎」

道男はるさんに
「なんだよ 説教かよ!」

はる慣れてないのよね
誰かに優しくされること…」

……………
翌日 寅子 出張

直道の服を
道男が着れるように
仕立て直す  花江

仕立て直した服を着て
花江に見せる  道男

花江「あら 似合ってるじゃない」

道男「そうかな」

花江「とても」

ふと…をみせる 花江

花江「ごめんなさいね
実際に 着てる姿を見たら
ちょっと直道さんのこと
思い出してしまって…」

花江「ほんとはね
ずっと考えてるの
直道さんが傍に居てくれたらって…」

花江「泣いてたこと
あの子たちに  内緒ね」

道男「俺  なれないかな…
その人の代わりに

*代わりになりたいのね
        :一美

道男「だから…    俺」

「ご飯にしよか」
話を切り替える 花江

道男頼むって!花江ちゃん!」

花江に縋(すが)って
何か伝えようとする道男

そこに  子ども二人

なにしてんだよ‼︎!」

「なんの騒ぎですか!」
と、はる

子ども二人「道男悪いんだ‼︎道男が  お母さんに‼︎!」

道男
はる
「なんだよ!結局  そんな目で見てくるのかよ‼︎!」

花江が仕立て直した服を
脱ぎ捨てて出て行く 道男

*どうしても
"貼り付けたラベル" を
『その人だ!』と思ってしまうんだな… 人間って  :一美

…………
出張から帰って来た寅子
道男を探しに 上野へ…

寅子タカシ⁉︎  どうして…?  
施設に入ったんじゃ…?」

タカシ「飯も満足に出てこないんだ。そりゃ逃げるよ」

寅子「最近  道男に会った?」

タカシ「いいや  お兄ちゃんは  良い家に引き取られたって  聞いたけど…」

道男の消息は  わからないまま  
10日 が過ぎた…

………
はる「(道男に)とにかく何かしてあげたかったのよ
勝手に息子と重ね合わせたのは 私なのに…
道男に"あんな目を向けてしまう" だなんて…」


*ほんとに…

はるさんは
道男の中に
はるさんの 表と

"あんな目" を  
つい
向けてしまった"

「何してんの‼︎道男‼︎XX」

こうなっちゃった
相手にX(バツ)

「どうしたの⁉︎ なに? 
花江ちゃんに 何か伝えたいの?」って
聞くどころじゃなかっただろうし

道男の「そんなんじゃねえよ」も はるには聴こえない。

とっさの良し悪し思考

これに持ってかれちゃった

目の前が 悪人(のように)
見えてしまって
話が聞けない
話合えない。

良し悪し思考の
もっとには
はるさんの本心が在るのにねぇ

自分が知ってる自分
だけが  自分じゃない

目の前の相手を
『"見て、知ってる"と思ってる
相手』だけが  相手じゃない。
相手の全部は  知る由もない

二律背反


そんな矢先…
はる  倒れる
      一美













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