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虎に翼70話(重遠の孫)

穂高イズム

穂高「ちょっと失礼するよ」
寅子「げっっ 元気ですか、穂高先生」

穂高「済まなかったね、佐田君。
私は古い人間だ。
理想を口にしながら 現実では、既存の考えから抜け出す事が出来なかった。だが君は違う。
は既存の考えから飛び出し人々を救う事が出来る人間だ。
心から誇りに思う
それを 伝えたかった」

寅子「私は 先生が古い人間とは思いません。尊属殺の最高裁判決  先生の反対意見を読みました。
昨日の事は撤回はしませんが
(どこまで強情なのだろうか⁉︎⁇)、
先生の教え子である事は 心から誇りに思っています」

穂高「ありがとう、後は 君たち若い者に託したよ」
寅子「私 てっきり怒られるのだと  
ばかり..」

穂高「そんな事は せん、そんな事は。これ以上 嫌われたくない」
寅子「先生 私 別に先生の事 嫌いな訳じゃ..」

穂高「ほっほっホホ  分かっとるよ〜それなりに好いていて呉れているのは。
寅子それなりって..」

穂高「良かった。
最後に笑って、スッキリした顔でお別れ出来そうで
佐田君、気を抜くな。
君もいつかは古くなる。
常に自分を疑い続け、時代の先を歩み、立派な出涸らしに成って呉れたまえ」
寅子はい!」

   ・・・・・


寅子「どうでもい~い⁇
そりゃどうでもいいわね。
英二君が いま抱える苦しみは 本来背負わなくて良い事じゃない。
私はホンネではね...
ご両親にあなたを任せたくない。
あなたが大人になるまで...あなたを見守り育てる事が、
私たち大人全員の責任なの。

あなたに優しかった大人、
誰か頭に浮かぶ?」

栄二勝枝さん。
父さんの浮気のことで...それっきり...」
寅子勝枝さんに連絡取ってみましょうか。あなたの味方になって呉れるかも知れない」
栄二味方?」
寅子英二君が頼る大人は、親である必要はないの。
とにかくね 私は、あなたがこれ以上苦しい思いをしないで済む道を、あなたと探したいの」

   ・・・・・

栄二「ありがとう、、」
寅子「元気でね」

   ・・・・・

寅子桂場さん..」
桂場「先生の教えは とうに俺たちに染み込んでいる。周りに何と言われようと、己れの描く理想の為に 虎視眈々と突き進むしかない..

司法の独立を守ること。そして二度と、権力好きのジジイ供に好き勝手にさせない事。
法の秩序で守られた平等な社会を守る。つまり穂高イズムだろ。
そうだろ佐田
最高裁判決における先生の反対意見読んだだろう」
寅子「はい、理想の為に虎視眈々です」
桂場虎視眈々寅子...むはははは...」

   ・・・・・

...法で道徳を規制するなど許せば、憲法14条は壊れてしまう...
...道徳は道徳、法は法である...


   ・・・・・

猪爪家は、法では回らない。


ある「重遠の娘」(教え子)の証言としての重遠の言に
「外国には『グッドローヤー、バッドネイバー』という言葉があるが、これではいけない。
良き法律家は良き隣人でなければならない 」
とある。

寅子が、
『グッドローヤー、バッドマザー』にならないことを祈る。

   ・・・・・

穂積重遠は、1951年7月29日病没。最高裁判事在職中だった。
享年68歳。
ちなみに、私の誕生の
8ヶ月後のこと。


ドラマの新聞によれば、
穂高重親はその後6年間
生存した事になる。

            光

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