しっかり食べてダイエット
私たちの身体はエネルギーで動いていて、健康的に痩せるためには極端な食事制限は絶対にやってはいけない。
もちろん、だからといって本当に痩せたいのなら何でも食べてもいい訳ではないはずだ。
この記事を読んでいるあなたも、いざダイエットをしようというときに、いったい何を、どれだけ食べていいのだろう?と悩んだことがあるはずだ。
湧き上がる食欲と戦う気力もなく、食欲を満たすためだけに口を動かしていた経験があるはずだ。
何を隠そう、私にだってそんなときがあった。
謎の食欲に負ける
摂取カロリー - 消費カロリー = 減量できるカロリー(キロ)
という計算式を目にしたことがあるだろう。
食べた分だけ消費すれば、消費の割合が高いほど痩せられる、というあの理屈だ。
同時に、消費する以上に食べる量が多ければ、余ったカロリーは脂肪になる。
実に簡単である。
簡単なのに、多くの人はこれがうまくいかない。
食べる量(カロリー)と消費する量(カロリー)の計算が難しいからだ。
いや、違う。
消費する量のことなんかどこ吹く風、知ろうともせずに、ただただ謎の食欲のおもむくままに食べるからだ。
私がそうだった。
食べたいものを、食べたいだけ食べていた10代20代の頃…
もちろん、その謎の食欲にも理由がある。
理由はいろいろあるが、その話を始めると肝腎の消費する量のことがおざなりになってしまうので、まずは消費するエネルギーの量の話をしたいと思う。
消費するエネルギーの量
生きるために必要最低限のエネルギーがいることは前回書いた。
生きるために必要な生命維持活動で消費されるエネルギーのことを基礎代謝、 それ以外に日常生活、家事や運動など身体を動かすことによって消費されるエネルギーのことを生活活動代謝と呼ぶ。
そして食べたものを消化吸収するために消費されるエネルギーは食事誘導性熱産生といい、通常は1日に必要なエネルギーの割合の10%と見積もられている。
この 3 つを合わせたものが、私たちが日々消費しているエネルギーの総量になる。
よくあるダイエットの罠
代謝エネルギーは熱を生んで、ホモサピエンスたる人間の生命を維持している。
食べないダイエットをしていると、まず食事誘導性熱産生が減って、体温が下がり、基礎代謝も 13~14%落ちてしまう。
また、ただカロリーを減らすだけのダイエットをしていると、体がエネルギー不足を補うために筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作ろうとする。
この筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作る代謝経路は、実は非常にコスパが悪く、一過性に痩せはするが効果は1~3カ月ほどで、持続性に乏しく、不健康で痩せにくい体質を作ってしまう。
食べないダイエットもカロリー制限するダイエットも、どちらにしても結果的に少ないエネルギー量で生きなければならない。
エネルギー量が少ないと、人の身体は基礎代謝を低下させてでも生きのびようとするので、運動などで生活活動代謝をいくら増やしても、そもそも脂肪を燃やすエネルギーの総量が減っているので、なかなか痩せない。
当然だ。
そのうえ基礎代謝が下がるということは、体温が下がるということとほぼ同じ意味で、 体温が下がるということは、免疫力が下がるということほぼ同じ意味だ。
免疫細胞が正常に働ける体温は36.5℃で、体温が1℃上がると最大5倍~6倍も免疫力が上がり、逆に体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれているからだ。
なんと恐ろしいことか!
つまり、よくあるダイエットのほとんどは、不健康な身体になるためのダイエットだったのである。
脳の指令はパグを起こすこともある
基礎代謝を上げ、体温を上げ、食べても太らない体質、痩せ体質になるには、まずエネルギーを作ることが重要で、エネルギーを作るためにはエネルギーの材料になる栄養素が必要だ。
ダイエットを始めた数時間後、または数日後に、我慢できずにドカ食いしてしまった、なんて経験はないだろうか?
私はある。
人の意思なんて儚いものよ、と思ったものだ。
人の脳はからだに必要な栄養が足りていないと、栄養を欲して「食べろ!」という指令を強く出す。
人の歴史は飢えと渇き(栄養不足)との戦いの歴史だから、人の飢えと渇きに対する恐れや不安、欲求は恐ろしく強力なのだ。
もちろん、脳もパグを起こすことはある。
十分に栄養は満ち足りているはずなのに、脳が騙されて誤った指令を出してしまうのだ。
私の脳はパグを起こしていてばかりだった。
もうパグは起こしたくない!と切に願う。
脳が正しく指令を出せるように、身体に必要な栄養を中心にしっかりと食べて、飢えと渇き(栄養不足)とパグからくるドカ食い欲求が出ないようにしたい。
心配しなくても大丈夫。
3つの代謝が上がってくると、同じ量・同じ内容のものを食べたとしても、きちんと消化・吸収して、代謝して、排泄できるため、自然に健康的に痩せてくる。
脳の指令系統も賢くなって、騙されなくなってくる。
かれこれ10年以上、体重が変わっていない私の脳も学習したようだ。
次回はエネルギーの材料になる栄養素の話をしよう。
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