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「うさぎ」の数え方は、1羽、2羽!? (連載:外から見る日本語第3回目)

バンクーバーの習い事教室STEP AHEAD LEARNINGです。

当教室にて、日本語教師歴25年になる矢野修三先生による日本語講師養成講座(初級編)がまもなく開講される予定で、日本語の面白さをもっと多くの人に知ってほしいという思いから 「連載:外から見る日本語」を執筆していただくことになりました。

長い長い日本語教師歴を通して感じた日本語のフシギを短いエッセイ形式でお届けします。

日本語を教えることに興味がある人も、単なる雑学としても、だれでも楽しめる内容となっております。

それでは はじまり はじまり。


今年の十二支は「卯」。うさぎがぴょんぴょん跳ねるがごとく、コロナ禍など飛び越えて、ぜひ明るく楽しい年になってもらいたい。


 ところで、うさぎの漢字は「兎」であるが、「卯」との関係は・・・。

この十二支(子・丑・寅・卯・・・申・酉・戌・亥)は紀元前、古代中国において、年や時刻、方位や占いなどのために作られ、漢字など読めない一般大衆にも分かるように、12の漢字に身近な動物を12匹選び、「ねずみ」から順番に割り当てたとのこと。四番目の「卯」に「兎」が当てられた。それゆえ、この卯(う)と動物の兎(うさぎ)はまるで関係ないが、十二支の上では「卯=兎」の特別な結びつきがあり、昔から十二支において、いろいろな文化を培ってきた。なるほど。


 うさぎは日本神話の「因幡(いなば)の白兎」やイソップ物語の「ウサギとカメ」、さらに「月でうさぎの餅つき」伝説など、多くの場面に登場する動物なので、子供のときから馴染み深い。


 でも、このうさぎ、「数え方」においては一筋縄ではいかない。一般的に犬や猫など小さな動物の数え方は「一匹、二匹」だが、この「うさぎ」はナント「一羽、二羽」。由来は諸説あるが、江戸時代、四つ足の肉は食べるべからずのご時世に、うさぎの肉を鳥の肉だと、ごまかして食べるために、「一羽、二羽」と数えたと学校で習った記憶がある。


 確かに、日本語の助数詞「数え方」はとても複雑で、教師泣かせ。「動物」も馬や牛などの大きな動物は「一頭、二頭」になる。まして「物」に関しては、ご存知の通り、多々あり、とてもややこしい。でも、こんなことで日本語が嫌いになっては困るので、教師として「物」に関して、初級レベルではやさしくすべて「一つ、二つ」と教えたい。


 いわんや「うさぎ」の「羽」など教えないが、日本でもかなり前から、あえて「羽」は授業では教えていないようである。でも先生によっては、「羽」を話題にする先生もいるようで・・・、特にうさぎを飼っている学校などでは。さもありなん。


 こんな「うさぎ」について、あれこれ書き綴っていたら、唱歌『故郷(ふるさと)』を口ずさみたくなった。「兎追いし かの山」である。でもこの歌詞、初めて聞いた子供のころは、「うさぎ美味し」だと思った。今となれば懐かしいジョーク。そして最後の「山は青き故郷、水は清き故郷」に、移住して29年、思わず故郷・日本をそこはかとなく思い起こしていた。日本語、いとおかし !


うさぎの数え方って、てっきり猫や犬と同じで「1匹、2匹」と数えるものだと編集部は思っていました!日本語って成り立ちを深掘りしていくと面白いですよね!

本エッセイを執筆された矢野修三先生が、4月16日からバンクーバーの弊社STEP AHEAD LEARNING のオフィスにて、0から日本語教師を目指したい人向けに日本語教師養成講座(初級編)を開講します。


オンラインからも受講可能!
(上記日付はバンクーバー時間となります)

最初の1日は無料とオリエンテーションになっているので、興味がある人は奮ってご参加下さい!

詳細はこちらから。

https://stepaheadlearningcanada.com/japaneseteacher/




本エッセイは執筆者である矢野修三先生から許可を頂いて転載しております。

執筆者プロフィール:
矢野アカデミー元校長
矢野修三先生

矢野アカデミーのサイト:

https://yanoacademy.ca/


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