作品創作に使えそうな西洋音楽の話3,「なろう小説風」で西洋音楽史を取り入れるとしたら、一例として



こんにちは、さくやです。
実のところこの「創作に役立つ」シリーズの第3弾は、
「クラシック音楽の敷居は高いのか、そのイメージの根拠など」についてお話ししようと思っていました。
定期的にTwitter(X)で盛り上がる話なので、私も、と思ったのです。
しかし納得できる記事にできず諦めました。また挑戦はしてみたいとは思います。

今回は少し肩の力を抜いて、
自分が異世界転生小説を書くなら、というお話をしてみようと思います。

では、さっそく参りましょう。

はじめに


まずは時代設定ですが、19世紀初期頃のフランスやイギリスのような雰囲気のヨーロッパ風の異世界とします。
そもそも転生とかがある世界観なので、魔法とか少し不思議な力を使えてもいいかなと思います。
市民革命後で、都会。
劇場の文化が発展し始めてる、くらいな感じです。

私は歌が好きなので、オペラ劇場の話にします。
いじめ役の悪役令嬢はプリマドンナの歌手にして、自分より立場の弱い可憐なバレリーナをいじめることにします。

って、これはもはや
「オペラ座の怪人」なのですよね。

うーん。

ということで、オペラ座の怪人風の悪役令嬢転生ものにしてみたいと思います。

あの名作オマージュのダーク・ファンタジー?

オペラ座の怪人の悪役令嬢といえば我らがカルロッタちゃんですね。

  • 筆頭プリマで歌は抜群に上手なのに、どのシーンでも何だか空気が読めない歌になってしまう。

  • 演技が苦手なのを超人的な歌の技巧でカバーしてるからそうなってしまうちょっと不器用な子。

  • タチの悪い構ってちゃんでもあり、ヒステリーを起こしては相手役やプロデューサー達に宥められて「仕方がないわね。歌ってあげるわ」となるまでが一連のお決まりの流れ。

  • オペラ座で怪奇現象が起こるとついに堪忍袋の緒を切らして自主降板、
    代役にクリスティーヌ(ヒロイン・登場時はモブのバレエダンサー)が抜擢される。

  • その後は彼女が人気プリマドンナとなり、嫉妬するようになる。
    嫉妬のあまり本番中クリスティーヌに意地悪をしてしまい、オペラ座の怪人・ファントムの逆鱗に触れ、醜い声に変えられた上にそれをステージで晒され笑いものにされてしまう。

こうしてみてみるとなかなか可哀想な子でもありますね。
ということで、
カルロッタモチーフでいってみましょう。


転生先の原作作品は、オペラ座の怪人モチーフのエレガントな音楽ファンタジーゲーム(そんなものあるのか)
ヒロインは19世紀風の世界観の中でプリマを目指しながら相手役や貴族、音楽家と交流して恋をする。そして劇場のミステリアスな秘密に触れていく…という内容にして、音楽パートとファンタジーパートがあることにしましょう。

また最初に申し上げますが
私の趣味で可憐なバレリーナとゴージャス歌姫の百合とさせていただきます。

主人公はカルロッタのようにヒロインをいじめる悪徳歌姫に転生。
幼少期は努力家で順調にキャリアを重ねていき、成長後は一躍劇場の大スターとなります。
ですが、原作ヒロインがバレエダンサーとして入団したところから婚約者(相手役のテノール歌手?出資元の大貴族?演出家?)ともすれ違い始め、稽古や本番のパフォーマンスも空回り始める。
ある日ステージ上で断罪され、歌手生命を絶たれるところも同じにしましょう。

ゲーム内での断罪後は、ファンタジーパートで起こる怪事件の最初の犠牲者となり凄惨な最期を遂げてしまうので、それを回避するために転生者が努力をする、という流れにしたいと思います。

幼少期に「私、あのゲームの悪役令嬢だわ」と気付くお決まりの展開ももちろんやりましょうね。


登場人物たちの案

主人公・悪の歌姫は転生者として
その歌の先生をキーパーソンとして登場させます。
敬虔な聖職者で、落ち着きがある美しいカストラート歌手にしたいと思います。
この先生の存在と言葉を借りて、音楽のことを本格的に取り入れている小説、という感じにしたいです。最後まで解説者ポジションにするか、実はラスボスにするかは決めていません。

さて
カストラートとは歌のために去勢手術をしている男性歌手のことをいいます。
低音も高音も自由自在に歌えるので、その超人的な歌唱がバロック時代はアイドルのように持て囃されました。
ですがカストラートが活躍できるようなオペラが流行らなくなってくるとすぐに飽きられ、その後は教会などで慎ましく歌うようになったと言います。
19世紀ごろにはほぼ消失しかけていた存在であったとベルリオーズの手記にも書かれていたようです。
(現在ではカストラートになるために手術をすることは法律で禁止されています。)
創作で扱う際は少し難しい存在なので、カストラートについてはまた別に真面目に一つ記事を書く予定です。

原作ヒロインは貧しい家庭出身のバレリーナ。
可憐で善良な美少女で、家族のために、これがお金になるならと観客の紳士たちの下品な無理難題にも泣く泣く耐えてしまう境遇。(これは19世紀オペラ界でもあった話なので、取り入れたいと思っています。)
彼女自身は良い子でありながら、その境遇と善良さに付け入れられ、浅ましい大人たちの駒として利用されてしまい、主人公追放に加担してしまったという感じにします。
後々過ちに気付いて合流させ、主人公とはまた違うタイプの芯の強いヒロインとなり、百合展開があると最高です。

主人公の元婚約者は頭の悪いボンボン男にしましょう。無知も、他者への無関心という一種の悪です。「ざまぁ」となる展開もお決まりですからね。
劇場を集金装置としてしかみていないプロデューサーなどに籠絡され、かつて信頼関係にあった主人公を追放、原作ヒロインの可憐な子には本気で恋をしつつも、彼女は既に主人公ヒロインと良い関係なのであっさりきっぱり振られていただきます。

資本主義社会も形成されつつある時代がモデルなので、お金大好きな浅ましい劇場のリーダーズ(興業プロデューサーや支配人、パワハラセクハラ演出家など)にも登場していただきましょう。
メンデルスゾーンやマイアベーアをモデルとしたセレブ作曲家や、ワーグナーやマスカーニのような後々歴史に大きな悩みの種を生んでしまう苦労人作曲家、ココ・シャネルのようなクセの強いスポンサーなどもいたらストーリーが賑やかになりそうですね。

これはゲームの脚本=神が如き運命に立ち向かう話…?

さてそのプロデューサーたちが劇場を集金装置として、一体何をしようとしていたのか。
その劇場の秘密とは一体…?

実はその秘密の最深部にいち早く気付いて動いていたのが主人公で、そのためにゲーム内では徹底して悪として描かれ、かつ最初の事件の犠牲者となってしまっていたことが判明。
音楽や芸術を消費する子悪党を成敗した後は
大きな悲劇を回避するために二人のプリマドンナが運命に立ち向かう…

という感じにしたらそれっぽくなりますでしょうか。
なんかやっぱり聖職者の恩師がラスボスになるしかないでしょうかね。
神の如きゲームの強制力を手にして何をしたいのかが私の頭脳ではいまいち思いつかず、決めかねています。

余談ですが、12世紀ごろには既に「バーチャル」に近い概念はあったようで、仮想空間は「魔法の庭」と名付けられていたようです。(参考資料を失念してしまいましたので詳細はまた分かりましたらお話したいと思います。)

架空の話ながらやっぱり音楽を心から愛する人を悪にするのは気が引けるなぁ。でも愛ゆえの暴走とか決めつけ、思い込みも悪だし、音楽オタクとしては自戒の念を込めてこの先生をラスボスにするしかないのでしょうか。(うーん)

終わりに

小説には憧れがあって、書いてみたいのですが、
私は面白い文章を書くよりも、わかりやすい文章を書く方が性に合っているので、作家さんのお力になる方に回れたらと、監修などのご相談は喜んでお受けしたいと思います。


以上
いくら何でも肩の力を抜きすぎた記事で申し訳ありませんでした。
次回からはまた真面目なお話をしたいと思います。

といっても、「薔薇の名前」風の修道院音楽ミステリーとか
音楽院で女学生が次々に幽霊を見る話とか(ちょっと実体験もある)ネタはありますので、また話題に困ったら出してみるかもしれません。
(何か怖い話ばかりで申し訳ありません)

ではまたお会いしましょう。

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