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読書RTAはオススメしません

 読書RTAという響きの良い言葉を思いついてしまったので、仕方なくこの記事を書くことになりました。ゲーム関連ではRTAや耐久などのプレイ動画をよく見かけますが、他にも様々な分野で耳にする機会が増えてきました。そんな流行の最先端に君臨するRTA業界に新風を呼ぶといっても過言なこの読書RTAを独り占めするのはズルいと思った次第です。そもそも現代の若者にはRTA以前に読書自体人気がない気はしていますが、あえて気づかないふりをさせてください。僕自身学生の頃は読書感想文の宿題と友達になれませんでした。いかに早く文字列の中からキーワードを見つけ出せるかのゲーム感覚で取り組みましたがあまりにも楽しめませんでした。もしかしたら無意識のうちに嫌悪感の対象を宿題ではなく読書自体に向けてしまっていたのかもしれません。とばっちりだけどね。

 国語の点数を伸ばす方法として読書をオススメする学校の先生は珍しくありませんが、そういえば僕の母校にも約一名いたなあと卒業してからたまに思い出します。そのくらい口酸っぱくというか脳裏にべったりと張り付くくらいには言われた覚えがあります。僕は本を1ページ読むのにおよそ1分を費やします。例えば300ページの本なら読破するのに5時間かかります。学生の5時間は貴重です。勉強部活ゲームとかのほうが読書よりはるかに優先度が高いミッションです。当時は「5時間勉強したほうが成績上がるだろ」とか「同じ娯楽ならゲームのほうが楽しいじゃん」みたいな生意気な屁理屈で先生を困らせていたクラスメイトもいましたが、卒業してからはそんな言い訳つかえません。

 授業や部活からは解放され、まあ大学へ進学すれば授業やらサークルやらバイトが増えはしますが、それらも含め自由な時間が増え、強制力のあるイベントは減ります。それでも今まで通り暇なときはゲーム三昧だと楽しみにしていましたが、なんとゲームに飽きてしまい、これには僕も驚きました。ゲームといってもスマホゲームのことで、高校入学と同時にスマホデビューした僕は3年間かけてスマホ大好き君へとなり果てました。いろいろあってゲームへのやる気がだんだんなくなり、最近はほとんど触っていませんが。

 深い意味はなく、ただ暇をつぶすための趣味の一つとして、昔から避けていた読書もありかなと。ちょっとした思い付きで本屋に出向き、入ってすぐのあたりに積まれていた本を手に取りレジを通しました。本屋大賞の受賞作らしいその本は、僕が読む前からハードルをあげられていてかわいそうでした。しかしその本はこんな僕のことも優しく物語の世界へと誘ってくれ、それはまるで幼いころ大好きな本を読み聞かせてもらっていた時のような感覚でした。盛りました。僕そんな感性豊かじゃないです。まあいいや。そんなこんなで暇なときはスマホより本を開くことが増えました。

 昔は本の内容は二の次でいかに早く読み終われるかを考えて読んでいたけれど、今となっては同じところを何度も読み返すほどには楽しめています。読書感想文の指定図書を読み飛ばしていたとはいえ、ネタバレは大いに食らっている為、あれ以来二週目を読んだことはありません。

 皆さんは人生を一冊の本に例えた名言をご存じですか。「その本が一度しか読めないと知っていたらあなたは一字一句丁寧に読むはずです。人生もまた同じですよね。」みたいなやつです。これって逆も言えると思いませんか。読書とはその本の作者や登場する主人公の人生を覗ているといっても過言ではありません。どうせ読むならゆっくりじっくり読んだほうが面白いはずです。やっぱり流行るならRTAより耐久のほうがいいのかもしれませんね。

最後までお読み頂きありがとうございました! 2022年 4月18日(月)

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