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詩『花のように 風のように』

グスタフ・クリムト『バラの咲く果樹園』(画像は拡大できます)

頭の中を言葉が流れる
水のように、風のように流れていく
つかもうとする手の間からこぼれて落ち
二度と目にすることはなかった

意識の中に光が差してくる
太陽のように、月のように差してくる
つかもうとする指の間をすり抜け
二度と目にすることはなかった

言葉は花のように、木の葉のように積もり
誰に読まれるでもなく埋もれ、消えていく
言葉は雨のように、滝のように落ち
誰の目に留まるでもなく流され、消えていく

流れていく、消えていくために
わたしは言葉を綴ってきた
誰のためでもない
ただあふれてくる言葉を留めたいだけ

花のように次々と開き、散る言葉
風のように強く弱く、立つ言葉
途切れることなく続く時間の中で
ただ降り注いでくる言葉を綴りたいだけ

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