「何もしない。求めない。協力しない。」私が叶恭子さんから学んだこと
私の部屋のトイレには、叶恭子さんの日めくりカレンダーをかけています。
(風水的にはトイレにカレンダーや本などの紙物を置くのはよくないらしいのですが、空間がファビュラスになる気がして…)
タイトルの言葉はその日めくりカレンダーの中の、ある1日に書かれているものです。
何もしない。求めない。協力しない。
これだけ聞くと、なんか冷たい人…と思うかもしれません。
正直、彼女からこんな言葉が出てくるとは意外でした。
自らのファンのことを”私たちの愛する大切な皆さん”と呼び、周りにいつもナイスガイを侍らせている恭子さん。
必要とあらば無心もしそうだし、本当に困っている人がいたら助けてくれそうなのに…。
案外冷酷なのか？と初めは思いました。
でも、この言葉にはもう少し続きがあって。
それは本当に言葉を額面通りに受け取った印象で、もうちょっとよく考えてみたらとても深い言葉だと気づきました。
何もしない。求めない。協力しない。
一見、最大に不親切であるような姿勢が、その実、他人に対して最大の親切になりうる場合があると知りましょう。
そしてこの姿勢が「自分の人生を責任をもって生きていく」のに大切なことなのでは。と思ったので書いてみます。
私が思い浮かべたのはよしもとばななさんの「王国」という作品に出てくる、雫石のおばあちゃんでした。
おばあちゃんは山の薬草でお茶を作る仕事をしているのですが、孫で弟子の雫石に対して教えるのは最低限の知識だけ。
あとは自分で考えて決めなさいのスタンス。
植物の力が弱って仕事を続けられなくなり、山を降りなければならなくなった時も、おばあちゃんは雫石を残し海外のペンフレンドの元へさっさと行ってしまうのです。
私は山を降りる、あなたは都会に出て暮らしなさいと告げただけでした。
そしておばあちゃんはいつも、自分が正しいと思うことを続けてきました。
誰かに何かをしてほしいと願ったこともないし、都会からおばあちゃんのお茶を商品化したいとやってきた営業も鼻で笑って追い返し。
とてつもなく強い人なんだけど、同時に自分の人生をちゃんと生きてるなぁと思ったのです。
逆に自分の人生を生きていない人ってどんな人かなと考えてみると、「人の心配ばかりしている人」じゃないかな。
恭子さんの日めくりカレンダーには、こんな言葉もありました。
『あなたのためを思って』と言う人には、『自分の為に生きてください』と言葉を返しましょう。
親なら子どものことを思って当然、本当に困っている大切な人は助けるのが当たり前、それは素晴らしいことだと思います。
それに絶対助けてはいけないという意味でもないと思います。
でもそこでふと立ち止まって、それを免罪符に自分の人生をおざなりにしてはいないだろうか？
人の心配をすることで、自分の空虚さ、辛さを見ないふりしていないだろうか？と考えてみる。
本当に大切な人たちだからこそ信じて見守って、自分は自分のできること、やりたいことをやっていくのがいいのではないか…恭子さんの言葉から、私はそう感じました。
自分のことをまずしっかりやって、余裕ができたら人のことを考えるのもいい。
私は恭子さんや雫石のおばあちゃんほど強くなれないけれど、「何もしない。求めない。協力しない。」を忘れずにかっこいい大人になりたいと思う。
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