見出し画像

はらわたくん


昨年誕生した【はらわたくん】は私の等身大の球体関節人形。

集大成写真集『はらわた神社』の完成と同時期に披露しました。

彼は私の理想の美少年像であり、

病みながら、もがきながら作品としてはらわたを吐き出していた、

その頃の「桜哉」を閉じ込めたタイムカプセルのような存在。

現在も"その頃"は続いていますが、

きっと10年、20年、もっと時間が経った時に、

"あの頃の桜哉"の姿となるのでしょう。

顔は少年、

くびれがあり、

胸はなく、

臓器も性器もない。

ほのかな桜色の白い身体。

私が求める”人間味のなさ”と”無性”

そして”無機質な美”

理想そのものを完璧に再現してくださった人形作家の宮長さん。

ありがとうございます。

生とは、性とは、心とは、美とは、芸術とは。

私は「はらわたを外に出す」ような表現をしています。

全て捨ててしまいたいような苦しみの時に彼を見ると、

「はらわたを吐き出し尽くして私も体を空にしてしまいたい」

と思うし、

寂しくて寂しくてしょうがない時は、

「はらわたくんの腹の空洞に哀しみを閉じ込めて、
人間の私は、心の穴を、はらわたを埋めたい」

と願ったり。

また、人間や感情が気持ち悪く感じる時は、

「"完全な美"というのは、芸術の領域を越えられないものだな」

と残酷に感じたりもします。

もうひとりの自分、無機質な自分だからこそ、

その時の心情によって見え方が違い、

いろんな気持ちにさせてくれます。

常識や現実から解放された存在。

それが【はらわたくん】なのです。


はらわたくんTwitter
https://twitter.com/harawatadoll


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?