「よくできた妻」と「都合のいい女」の狭間で溺れる話
夫の異動とスランプが重なって、一週間だけすべての納品をストップして、完全に書くことから離れていました。
今週の始めあたりからぼちぼち復帰して、またガリガリ書き続ける生活に戻ったわけですが、休んでいた一週間で感じたこと、生活の変化について少し。
元々、家で働いているわたしが家事の7割を担当していたわけなんですが、夫の異動で勤務時間が変わったことによって、その分担が9:1になりました。
これが思った以上にしんどい。外に働きに出ている夫からしたら、家で働いているわたしなんて趣味の延長くらいにしか思っていないのかもしれないけれど、いちおう仕事は仕事なんですよ……。
夫より1時間以上早く起きて弁当を作り、出勤を見送ったら仕事しつつ洗濯や掃除をこなし、納期がやばい時は自分の食事は後回し。
退勤後ダッシュで買い物に行って夕食を作り、残業で帰りの遅い夫を待つ日々。やっと帰ってきたと思っても、疲れきった夫とは会話をするのも憚られ、黙々と残った家事をして、夫が自室にこもるのを見送るような生活。
夫から見れば、周りの独身勢に羨まれるような理想の結婚生活でしょう。
趣味に理解があり、一人の時間も邪魔されない、家事は一切やらなくていい、休日は昼まで寝ていても怒られない。
毎朝できたての弁当と朝食が無条件で出てきて、帰れば必ず温かい夕食とお風呂がある。
おまけに我が家はお小遣い制ではないので、毎月一定額の生活費さえ納めれば後は自由です。わたしは夫がいくら貯金してるかも、月にいくら趣味に費やしてるのかも知りません。別に知りたくもないけれど。
学生時代の呪いから完璧主義に囚われたわたしは、自分からすすんで「完璧な妻」でいたいと望み、こんなことをしているんですが、仕事をしなかった一週間の間にふと思ったんですよね。
わたしは「よくできた完璧な妻」と「都合のいい女」を履き違えているのでは?
なんでも一人でこなして、夫の手を煩わせないのが、いい妻なんでしょうか?
夫が夜な夜な女の子と通話しながらゲームをしていることを黙認するのは、完璧な妻じゃなくて、ただの都合のいい女に成り下がる行為では?
夫にとってわたしは、どこへ出しても恥ずかしくない理想の妻ではなく、給料を払わなくていいただの家政婦では?
と、こんな風に一週間モヤモヤと考え込んでいたわけなんです。この経験すら、後でシナリオにしてしまおうと思っているので、創作面からすれば良い発見でしたが。
この問いに対する答えはまだ出ていませんし、当分出せないだろうな、とも思います。
なぜなら、「完璧な妻」になりつつある自分が好きだから。
いま、すごく自分の思い描いた理想の自分に近い。
外ではバリバリ仕事をこなして、家では理解のある良い妻で、少しくらいの浮気なら平然と受け流せる、自分に自信がある良い女。
そんな人に、わたしはなりたいとずっと思ってきました。
きっと自己肯定感が地の底にあるのが、わたしを「都合のいい女」に格下げしてしまう原因のような気はしています。どこかで自己肯定感売ってないかな。
ダラダラ~っと意味もなく書いてしまいましたが、この問題はしばらくわたしを苦しめそうでもあり、新しい創作の活力になりそうでもあります。
とりあえず今の目標は「結婚は人生の墓場」ではないことを、身をもって証明することです。棺桶に片足突っ込んでますけどね。
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