見出し画像

オンライン時代に求められる話し方⑤「鼻呼吸」

 我々人間をはじめすべての生き物は、「呼吸」をしなければ生きていけません。日常の生活では「当たり前」のように「呼吸」をしています。

 さて、では我々が人と会話をしたり、議論したりするという所謂「話す時」を立ち止まって考えてみてください。

 そこで、皆さんに質問です。あなたは人と話をする時「呼吸」はどこで行っていますか?

 例えば「水泳」の場面を考えてみてください。100メートル、200メートルの競泳を見ていても当然「呼吸」をするための「息継ぎ」をしています。

 人と話をする時も「息継ぎ」をするわけですが、「一体どこで息継ぎしているのか?」と考えたことはありますか?息継ぎをしなければ、水泳のコミュニケーションも成り立ちません。それと同時に、この「息継ぎの仕方」によって、オンライン時代の話し方の伝わり方は大きく変わってしまうのです。

 さて、先程の質問を聞いて、あなたは直ぐに答えが浮かびましたでしょうか?「声のお仕事」をしている方は「呼吸法・発声法」などを学んでいるので、思い浮かびやすいかもしれませんが、95%以上の方々は、「自分が話している時の息継ぎの仕方など考えたことがない!」のです。

 結論から言いますと、「鼻呼吸」が正解です。しかし、私の30年間以上の講師経験を通じても、人前で話す時に、きちんと「鼻呼吸」で話している人というのは、2人か3人くらいしか記憶にありません。

 したがってほとんど全員の方が「鼻呼吸を意識していない」ということになるのです。では、「ほとんどの人は一体どこで息継ぎをしているのか?」という疑問が湧いてきます。その答えは「口呼吸」です。

 例えば、次のような現象「自覚」したことがある人は、間違いなく「口呼吸」をしています。

●「息継ぎの時に“スッー”と口で息を吸う音が聞こえる」→「すぐ口が乾く」

●「え〜、あの〜、まあ〜」という言葉を多発する。→「口癖になっている」

●「早口になって“間”が取れない。」→「機関銃トーク」 などが代表的です。

 そして、上記のようなとてもわかりやすい現象ですら、人間は自分自身のことは、なかなか気づきにくいという傾向があるのです。

 ご自身で自覚できている人は、その頻度は大幅に減っていくはずです。それと同時に、「鼻呼吸」を意識して、「良い息継ぎの習慣」を身につけて行きたいものです。

 特に、オンライン、デジタルの機材を使ったコミュニケーションにおいては、「映像や音声が急に途切れる・聞こえなくなる」などの現象が生じます。

 この時に、上記の3点のような「口呼吸」をしていると、次のようなマイナスの現象が生じやすくなります。

■「口呼吸の“スッー”という音が気になって話を聞いてもらえない」

■「え〜、あの〜、ま〜」が耳障りになって話を聞く気になれない。

■「受け手に目が向かず、相手の反応や場の空気を的確に判断できない。」

 そして、上記のマイナスの現象を改善することによって生じるメリットは次のようになります。

★「語尾」の部分で口をしっかりと閉じることで、鼻で呼吸することができます。

★「え〜、あの〜ま〜」が極端に減って、メリハリのある簡潔な話し方になる。

★「鼻呼吸」をしている時に「間」ができて、相手を観察することができます。

 これが「映像と音声のタイムラグがあるZOOM等の視聴覚情報」や「音声・言語情報の影響力が大きいCLUBHOUSE」などのSNSを使った時の「効果的なオンライン時代の話し方」のテクニックに繋がっていくのです。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集