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2023/8/27 光

・今日は映画を観るために早起きした。映画を観るために早起きするだけのバイタリティーがまだ自分に残っていたのが結構驚きだ。

・そんな早起きしてまで何が観たかったのかと言うと、デヴィッド・クローネンバーグ『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』だ。

人工的な環境にも適応した人類は、痛みの感覚を失う。“加速進化症候群”のアーティスト・ソールは、体内で新しく生じた臓器にパートナーがタトゥーを施すショーで人気だった。一方、政府は誤った進化の暴走の現状を監視するために“臓器登録所”を設立して……

映画ナタリー

・上記のあらすじを読んでもらえれば分かると思うが、そう、変な映画だ。

・面白かったな。変なモノ見たさで観に行った僕の期待に100%で返してくれる映画だった。「何ですか?これは…」と思うようなシーンが沢山あったな。内容の良し悪し以前にそういうモノが沢山観れる映画はそれだけで満足度が高い。変なものって観れて嬉しいからね。

・変だ変だと言いつつも、一応作品内で理屈は通ってる…っぽいので、わけがわからないほど変というわけでは無かった。でも観た人には伝わると思うけど、あのギーガーみたいなデザインのベッドとか椅子はあまりにも奇怪すぎてウケたな。特に椅子はヤバい。何なのアレ。

・映画を観た後、せっかく名駅の方まで出たから「良いランチでも食べよ♪」と思って気になってたお店を見て回ったが、どこも人に溢れていて気が狂いそうになった。そういえば今日は日曜日だったか…。どれだけ素敵な店でも人が多いと全然入りたくなくなっちゃうな…。

・結局松屋に行った。そういえば松屋、行きたかったんだよな〜。以前からTwitterで皆さんが『うまトマ』を異常に誉めているので気になっていたのだ。

・しかし、いざ入店してみると『うまトマ、取り扱い終了』の文字。せっかく沢山歩いてここまで来たのに〜……。ショック……。他の店ではどうかは分からないけど少なくともこの店には置いてなかった。

・仕方ないので他の期間限定メニューにあったガパオライスを頼んだ。

・食べてみてびっくり。これ、本当にガパオライス…?なんかどちらかというとカレー…?麻婆…?汁気も多いし、妙に辛い…。いや、本物のガパオライスの味も言うほど覚えてないけど、なんかコレではない気がする…。でもアレだな、普通にめちゃくちゃ美味かった。なんだかよくわからんが美味い飯だった。

・松屋、牛丼屋みたいな面してるけど、実は謎の創作料理を作り続ける挑戦的な店なのかな…。

・2本目の映画を観る時間まで、喫茶店などで時間を潰す。先日読み終えた本の感想文を書いているが、この歳になって書く読書感想文は非常に私的なものになっていて面白い。当時は“文字数稼ぎ“に必死だったけど、自分で書く分にはどれだけ自由でも良いもんな。

・2本目に観たのは『シークレット・サンシャイン4Kレストア』だ。イ・チャンドン監督作品。配信などでは中々観れる機会が少ないので貴重な体験だった。

・疲れた…。もう韓国映画というだけで自然に身構えるようにはなっているが、こりゃまた非常にヘビーな映画だったな。

・この映画は安易な逃げ道を作ってくれない。傷ついた主人公に躙り寄る宗教団体は別に極悪カルト教団ではないし、彼女を助けようとしてくれる男も決してヒーローなんてものじゃなく、イマイチ頼りにならない。全然スカッとしない。気持ちの良い展開にならない。ひたすらにジリジリと心が消耗していく主人公をカメラが追い続ける。

・決定的に彼女の中で信仰が終わるシーンはやはり印象的だった。決して誰かに騙されてた訳ではなく、普遍的な教えによる救いの形がある種絶望への落とし穴になり得るという反転。見事だと思った。

・比べるものでもないが、なんだか『空白』を観た時の事を思い出したな…。完全なる絶望や喪失を得てしまった人間はどうすれば救われるのだろうか。どうやってこの世界と折り合いをつけていくべきなのだろうか、という事を……。

・そもそも、救われたり折り合いをつけるべきモノでもないかもしれない、とは今回この映画を観て思ったな。それを本人が望んでいるとは限らないし、そもそもそんな事は不可能なのだろう。どうあっても、傷は残る。忘れる事なんて出来ない。それでも生きているから、生きていくしかない。生きていればいつか光は差す。そう思うしかない。決して信仰ではなく、これ自体がそういう祈りの形なのだとラストシーンを観て思った。思い返せば、それはとても優しい光で…。

・居酒屋で適当に酒を飲んで帰宅。今日も夜風が涼しいのでクーラー無しで寝ます。

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