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2023/5/1 月曜日の友達
5月。旅行の月だな…と思う。毎年5月末くらいに旅行している気がする。数少ない過ごしやすい気温の時期だからかな。因みにゴールデンウイークに遠出する事はない。
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以前日記内で話題提供を募ったところ、「『月曜日の友達』の事について書いて欲しい。」という旨のメールをいただいた。なので書こうと思う。
大前提として、この作品の素晴らしさは言葉で説明出来るようなモノではない。その絵や文字の美しさを実際に感じ取ってこそ初めて伝わるモノであって、僕の文章は完全に蛇足で余分なのだ……。コレを読むくらいなら今すぐ書店やAmazonに駆け込んで実際に作品を買って欲しい。それをどうか肝に銘じて欲しい。
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『月曜日の友達』は阿部共実先生による上下巻完結の漫画だ。そう、漫画……なんだ…。この作品を読むたびに漫画が芸術、美術表現のひとつなのだという事を改めて強く思わせられる。
阿部共実先生の作品は、過去作の『ちーちゃんはちょっと足りない』や『空が灰色だから』等を読んで貰えば分かる通り、ポップさとエグさを共存させた独特の作風のあるものが多い。そのエグさは僕たちが学生時代に感じたような小さな…それであって決定的にこの人生に影を落とすきっかけになったような強い強い痛みだ…。読むたびに落ち込んでしまうようなそんなエグさをポップに誠実に描いている。
だからこそ僕はこの『月曜日の友達』を初めて読んだ時は怖くて仕方なかった。繊細で多感なこの少年少女がいつなんの拍子に壊れてしまうか分からない。恐ろしく洗練された絵の美しさは読者の恐怖や寂しさを煽る。それは大きな団地、燃えるような夕陽、澄んだ冬の海。逆光に隠れた彼の顔……。同じような経験をしたわけでもないのに、間違いなく僕も“あの頃“感じていた怖さだ。そして、そういう怖さがあるからこそ、救われた時の気持ちもまた凄まじいものだった事も思い出す。そういうどっちに転ぶか分からない緊張感を保ったまま物語は進む。それがこの漫画の魅力であり、終盤にたどり着く感動への道程なのだと思う。
主人公である水谷の思考は過剰な程に独白として読者に示される。それは、今生きているこの日々がいつか過去になってしまう事を悟っているように達観していて、詩的で、どこか切ない。これって現実でもある現象だなって思う。今この瞬間がドラマチックであればあるほど、心は痛くなる。この瞬間が永遠に続けば良いと望んだ時点でそれが終わる事をどこかで知る。「青春は終わるから美しい」と誰かが言った。そう纏めてしまうのは些か強引で情緒がなくチープだと思ってしまうが、実際そうなんだろうなと納得する自分もいる。人生全体で見ると青春だと思える瞬間って本当に少ない。少ないからこそ、より強固で強く輝くのだと思う。
“お前はまた笑った。今度は少し切なげな目をして、笑ったんだ。”
僕はこの作品を読み返すたびに泣いてしまう。彼ら彼女らのいずれ終わってしまう青春を漫画という表現の美しさの全てを駆使して精一杯祝福しているような、そんな素晴らしさを感じるから。あと兄妹モノとしても普通に泣いちゃう。そういうのもあるのかよってなる。ズルい。
僕が人生で1番好きな漫画は『からくりサーカス』なのだけど、1番人に読んで欲しいって思う漫画はこの『月曜日の友達』だ。友達とかだったら普通に買って押し付けたいとすら思ってしまう。もし今この文章を読んでる人で未読の人がいれば是非読んでもらいたいと思う。
あー…。一気に書いたけどまとまりの無い文章で申し訳ない。誤字脱字、整合性の無さもあるかもしれない。でもこの“バイブス“だけでも伝わってくれたら幸いです。
amazarashiがこの作品に書き下ろした『月曜日』という楽曲もとても素敵です。是非。
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