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2023/7/12 花に嵐

・いつもの通り今日は何を観ようかなと思いFilmarksを漁っていると、『花に嵐』という知らない映画がクリップされている事に気が付いた。まぁ、Twitterかなんかで名前を見かけて特に意識もせず取り敢えずでクリップしておいたのだろう。

・ザッとレビューを見てみると、“藤本タツキ先生の『さよなら絵梨』を連想する話だった“という旨の投稿が散見された。それはとても気になるな…と思ったので観てみる事にした。

・面白…かったな…。うん、めちゃくちゃ面白かった!!!“映画サークルで出会った不思議な女の子に、未完の映画の続きを撮ってほしいと頼まれる“という、本筋だけ見るとハートフルな映画なんだけど、印象としてはむしろ真逆だった。

・主人公はサークルの先輩からは“脂(あぶら)“というあだ名を付けられ、ぞんざいに扱われ、共に行動する女の子には訳のわからない無茶振りで振り回される…。監督自ら主演をしている事もあり、この雰囲気は白石晃士監督や阪元裕吾監督の系譜だな…と思った。

・そして、この主人公を振り回すヒロイン像は確かに、藤本タツキのイズムを感じた。めちゃくちゃで衝動的だけど、どこか儚げで可愛らしい。彼女が最初にカメラの方を向く瞬間の何かが始まる予感めいた雰囲気は観客を物語に一気に引き込む力があると思った。

・演じられているのは『りりか(里々花)』という方で、調べてみると今は『in living. / ririka』名義でYouTube等で活動されている方だった……って、めちゃくちゃ有名人じゃないか!!いや、動画の内容かとかは全然知らないけど、流石に名前くらいは知ってる…。でもこんな役者としての活動もしていたのか…。

・この映画は“映画を作るドキュメンタリーという程を取ったモキュメンタリー(という程を取った映画)“というわりと入り組んだメタフィクションなので、現実とフィクションの境目がかなり曖昧で面白いし、その中で繰り出される「ここぞ!」というタイミングでの現実からの飛躍がとても美しかった。そして、その辺もまた『さよなら絵梨』が連想される部分なのだと思う。一応書いておくと、オタクの脳が勝手に関連性を探してしまっているだけで、この二作品に直接何か関連があるわけではない。勝手にそう観てしまっているだけだ。

・いや〜〜〜、76分という短めの尺だったけど、とても豊かな鑑賞体験だったな。ずっとバタバタしてるわけじゃなく、ダレてる部分がある事も含めて、ちゃんと“映画を観た“という充実感の残る素晴らしい作品だった。U-NEXTで配信されてるので気が向いたら是非観てみてください。

・なんか今日めちゃくちゃ雨降ってたしめちゃくちゃ暑かったし、手荒れも酷くなってきたし、なんか色々と「もう終わりやね」の気持ちになってきてる。明日こそ皮膚科に行こう。

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