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ワクチンが本当に重症を防ぐのか、我が浜松市の結果を見てみた


ワクチンは、新型コロナウィルスの感染を防ぐためでなく、「重症化を防ぐため」に打つのだという意識は今や世間に浸透していると思う。

「感染防止効果」は接種直後にはいくらかあるが、一定期間経つとむしろ逆になる(感染しやすくなってしまう)というのは以前の記事で書いた。
また、世界で一番距離的にも人種的にも我が国に近いお隣・韓国がブースター後にどのような状況に陥っているかを見ても明らかだと思う。

情報通信研究機構の藤川賢治さんが作成した各国の接種率と感染者数のグラフを見ても、まるっきりその傾向が現れているのがわかる。

ワクチン推進の重鎮の先生方の発言も、現在は「重症化を防ぐために打ちましょう」に推移している。
「最初からずっとそう言っているでしょう。『感染を防ぐため』なんて言った覚えはないです」と、数ヶ月前に確実に「感染を防ぐためにワクチンを打ちましょう」と言っていて発言のスクショもきっちり残っている先生方が、今は「感染を防ぐなんて言ってません! 重症化を防ぐために打つんです!」と仰っている。

とりあえず、ワクチンパスポートや「未接種者お断り」「未接種の人間は感染を広める悪」みたいな仕組みや言説は確実に無意味化したことは良いことだと思う。

さて、それでは肝心の「ワクチンは重症化を防ぐ」について。
重症化を防ぐ防ぐと言うけれど、本当にどれくらい防ぐのか?というのはよくわかってないけど専門家とか偉い人がそう言ってるので防ぐんだ、というくらいの感覚の人が大半ではないかと思うので、そこを数字で確認してみた。

私が月の半分くらい住んでいる静岡県浜松市が、ワクチンの接種回数ごとに無症状・軽症・中等症・重症の割合を発表している。
なんとここまでの細かい数字を出しているのは、全国でも浜松市だけらしい。※他にあったらごめんなさい
一歩間違えたら国の方針の正当性を覆すデータになる可能性もあるのに、細かいところをきっちり発表する姿勢は素晴らしいと思う。住民として誇りに思いたい(良いところは「さすが我が町」と誇りに思い、悪いところは「俺住んでるだけで行政とは関係ねーし」と他人のフリをするスタイルでやっております)。

浜松市のサイト:新型コロナウイルス感染症 感染者動向
★★★上のリンク、現在は無効になりました! こちらの記事のちょうど半分から後半で書いているように、厚労省の数字改ざん発覚→接種回数別の調査中止通達により、浜松市でも回数別調査が不可能になり、ページが消滅しました。しかし当時記載されていた内容は以下のようにきっちり保存しています。★★★

では早速該当の表を見てみる。
これは令和4年1月1日から、令和4年3月24日までの統計だそうだ。つまり今年のデータである。「オミクロン(とデルタ少々)に対してのデータ」と言って良いと思う。

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横長で小さくなってしまったので、あまりみなさん興味がないであろう「1回だけ接種済み」の部分を消してみる。

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比較する部分のパターンがたくさんあるが、まずは「重症の割合」について見てみよう。

重症化率は、未接種の人が0.1%。2回以上接種済みの人が、0.0%。

ワクチンが未接種であれば1000人感染したら1人重症になるけど、接種していれば1000人のうち1人も重症にならなくなる。

ただしここで単純に「なるほど、『1000人に1人』がワクチンで『1000人に0人』になるのか~」という数字のイメージを持ってはいけない。
それは、国民全員が漏れなくコロナに感染するという条件でのイメージである。そこに、「多くの人はそもそも感染しない」という前提を加えなければいけない。

この3ヶ月間に浜松市で感染が判明した数は19671件となっていて、浜松市の人口794718人(3/1時点)で計算すると、新型コロナに感染した人の割合は市民のうち2.5%になる。40人に1人だ。
それをちゃんとイメージの計算に追加し、「40人に1人がコロナに感染するうちの、1000人に1人が重症化するかしないか」というイメージを持とう。
言い換えると、「ワクチン未接種の人は3ヶ月普通に暮らしていると4万人のうち1人は新型コロナにかかって重症化するが、接種していれば1人も重症化しない」となる。

で、その「4万人に1人」の重症化する人はいったいどんな人なのだろう?
と考えると、既知の通り、極度の肥満の人や超高齢者や基礎疾患がある人、の中でも4万人に1人に該当してしまうようなエリート中のエリート(非常に悪い方の)ということになる。むしろ「肥満な上に基礎疾患がある高齢者の方」くらいの選ばれた不健康者ではないだろうか。

もしその「4万人に1人の不健康者」に自分が該当しそうな予感があり、なおかつワクチンの副反応リスクを上回る安心感が接種により得られると思う人は、打てばよいと思う。
ただ、そのレベルの人はとっくに打っているか疾患がすごすぎて打つことが不可能かどちらかだと思うので、今さらそこを比べる意味もあまりなかったかもしれない。

まあオミクロンに対しては、この結果をもって「ワクチンは重症化を防ぐからつべこべ言わずに打て!」という言い方が成立するのかは、大いに疑問であるというかその理論は成り立っていないのでは??と私個人は思う。4万人中3万9999人には当てはまらない理屈だ。
重症の下、中等症なんてむしろ未接種者が2回接種者や3回接種者より割合が少ないし(未接種0.5%、2回接種0.7%、3回接種1.6%)。


それでは次の点。 
今の需要で言えば、「3回目をどうしようか迷っている人」が一番多いと思うので(「1回目打とうかな~どうしようかな~」と今悩んでいる未接種者がいようか?)、一番人々が知りたいのは2回目と3回目の差ではないだろうか。

そこで、未接種者の部分も省いて、表をさらに縮めてみた。

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重症化が0.0%というところはどちらも同じである。

無症状は、3回済の方が2回済みより倍以上多い。ここは「3回済の方が良い部分」と言えるだろう。

軽症は、2回済の方が15%ほど多い。が、軽症が多いということは果たして良いことなのか? 悪いことなのか? よくわからないというか、どっちとも取れると思う。

そして、中等症は3回済の方が2回済よりも倍以上多い。ここは確実に「2回済の方が3回済より良い部分」であろう。

さて。
総合的に考えて、どっちが良いと思う?

2回打った人は3回打った人と比べて、症状が出てしまう割合が多いが一定以上重くなる確率は半分で済む。
3回打った人は2回打った人と比べて、症状が出ずに済む割合が多いが一定以上重くなる確率は2倍になる。

これは、2回打っている人が、副反応のリスクも覚悟して3回目を打つという動機になり得るだろうか??

なると言われても否定はできないけど。
なにを動機にするかは人それぞれだから。「SNSに副反応報告をアップして『いいね!』をもらうことが生き甲斐」という人は、打つメリットを大きく感じるだろうから打てばいいのだろうけど。

浜松市は無数にある地方自治体のうちのひとつに過ぎないので、これが必ずしも日本全体の数字をそのまま表しているわけではないかもしれない(陽性者2万人の分析なので統計的には十分なはずだが)。
しかし、少なくとも国内では重症度分類別に発表されている唯一のデータがこの結果、ということはしっかり受け止めなければいけないだろう。これを無視して「データを出していない地域ではきっと重症化防止効果がすごくあるはずだ!」と主張してワクチンを推進するのは滅茶苦茶な話である。
滅茶苦茶な話であるが、彼らなら十分やりそうでもある(彼らって誰ら?)。

とりあえず、ちゃんとした結論を出すためにも、他の自治体でもこのような数字を発表してくれると良いな、と思う今日この頃である。
※他の市や県でもデータ出てたらごめんなさい


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