おうちデート

まだ付き合ってもいないのだから

おうちデートなんていっていいのかもわからないが

太輔が私のアパートに来た

昨日の夜から眠れなくて、

部屋の片づけは一通り終わったはずなのに

何度も何度も私は部屋を確認した


どうしよう。この気持ちを誰かに話したい

学部の仲の良い友人はみはなともうひとりだけ

でもみはなと太輔が別れてまだ3か月もたっていない


別れているとは言え、私はまだ言い出せずにいた


2人とは関わりのないバイトの友達に電話する


 えっ!朔ってそんなドキドキしちゃうようなタイプだっけ~?

 うけんだけど~!まぁアパートまで呼べればこっちのもんっしょ


そんな軽いノリで電話は切られた。

自分自身もこの乙女っぷりに驚いていた


そわそわしているとメールがきた

太輔だ


 いま、駅ついたよ!直で行っていい感じ??


私の向かいのアパートには同じ学部の男子が何人か住んでいたため、太輔も私の家は知っていた


 うん!いいよー!まってる♪


あっという間に部屋のインターホンがなった


はーい!

ドキドキしながらドアを開け、太輔が私の部屋に初めて入った


そんなに純粋なわけでもなかったのに

こわい、どうしよう、もう部屋まで入っちゃったし、これ以上何かあってももう文句は言えない、

と色々な思いが頭を駆け巡った


何かあってほしいという下心いっぱいで太輔を呼んだはずなのに


いざとなると心の準備ができていない自分もいた


しばらく、テレビをみながらお菓子を食べたり、たわいもない会話をしながらゆっくり部屋で過ごした


太輔のこれまでの恋愛の話も聞いた


年上と同年代が多いらしい


自分から聞いておきながら私は妬いて、少し不機嫌になった


 なんで自分から聞いたのに拗ねてんだよ~

と太輔が言いながらほっぺを優しくつねる素振りをした


ずるい、太輔は確信犯だ

私の気持ちを知っているから

こんな風に余裕な態度がとれるんだ


悔しくなって私も女の武器を使った

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