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気の合う2人―夏希とみゆ―

夏希とみゆは、出席番号が前後という

こともあり、すぐに仲良くなった。

「夏希」「みゆ」と呼び合う仲になった。

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「めっちゃあの子綺麗」

「有馬さんよね?」

「有馬さん、可愛い」

「有馬、美人やな」

「てか、隣におる人めっちゃ普通」

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夏希は、そのヒソヒソ話が嫌だった。

入学式から数日後、夏希は、みゆの

家に行くことになった。

みゆの家まで歩いている時

「ねぇ、間違ってたら悪いんだけどね」

「うん」

みゆは、少し顔を真っ赤にした。

「お父さんから聞いたんだけど、、、、
夏希のパパ、ママね、できちゃった婚??」

「え」

夏希は知らなかった。

初めて知った。

夏希は一人っ子だ。2人が結婚する前に

愛を確かめあったと思ったらびっくりした。

「あっ、お父さんが、夏希のお父さんとお母さん
が「たっつんと、あいちゃん
結婚する前に愛を確かめあって、
それで、なつちゃんが空から降ってきた」って
言うから、、、、」

夏希は大爆笑した。

夏希は、次のあいの発言にびっくりした。

「夏希、夏希だけに話すんだけど、、、
私、中学の時にしたの」

「えっ、何をー?」

「、、、初体験」

夏希は、飲んでいるココアを口から
吹き出しそうになった。

「お父さん、お母さんに言ってない、、
詳しく話すと、、
山田歩っていう小中同じの男の子と
付き合ってたの。野球部で副キャプテン
してた。詳しく話すとね、、、」

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―――2年前

「みゆ」

肌寒い12月。学校帰り、歩がみゆに

キスをした。みゆにとってファーストキス

だった。今よりも髪が短かった。

2人がいるのは、公園だった。

誰もいなかった。

そして、歩は、みゆを自分の身体に

引き寄せた。

歩の心臓はトクトク鳴っていた。

「みゆ、俺の家来ない?」

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みゆは、歩の家に来ていた。

歩は、お父さんとお兄ちゃんの3人暮らし。

2人はベッドの上で行為を続けていた。

半ば無理やり、歩がキスをしていた。

「あゆむっ、、、」

再び口を塞がれた。

歩は、みゆの着ているワイシャツのボタンを

1個1個外した。

「あゆむ!」

みゆは、つい、大きい声が出た。

歩の身体が震えた。

「、、ごめんな。みゆ。どうしても最近
感情抑えとるつもりやったけど
これ以上は無理かも。
みゆに対して変な気持ちになったり、
みゆ、ごめん。」

その後、2人は繋がった。

行為を続けている時

「みゆ、みゆ」と何度も歩が呼んだ。

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歩はその後、私立の野球の強豪校に進学

するために、県外に行った。

2人は、別れる形になった。

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「歩、優しかったの。優しい人だった。」

みゆの顔は泣きそうだった。

夏希は言葉を発することが出来なかった。

その時、

「みゆ?」

夏希とみゆは同時に振り返った。

ジャージ姿の歩がそこにいた。

「えっ、歩?」

「、、、、じゃっ、ばいばーい!」

(えっ、歩くん!!??)

夏希は逃げるように立ち去った。

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―その夜

「G~♪ D~♪ A~♪」

夏希はギターの練習をしていた。

1階では、あいと達也が大爆笑していた。

「みゆちゃん、彼氏?」

「えー、元彼です」

「めっちゃかっこええなー。
名前は?」

「山田歩です。」

夏希は気になり、1階に降りた。

有馬家と、有村家で

パソコンのすSkype機能で会話をしていた。

「あっ、夏希!!
あんたー、なんですぐ帰ったの!!??」

みゆが少し怒った感じに夏希に言った。

その時、パソコン越しで歩と目があった。

「どうも」

「どっ、どうも」

夏希は変に緊張してしまった。

その時、達也がみゆに聞いた。

「歩くんと、みゆちゃん
中学の時つきあってたんよね?
どこまでいっとったん?」

「達也の阿呆」

あいが、達也の頭をバシッと叩いた。

「、、、、、、、」

「夏希、言わないでよ」

「あっ、、、はい(笑)」

歩の顔は真っ赤だった。

「夏希ちゃん、言わないでください、、」

夏希は笑うのを我慢することが出来なかった。

「あーはははははは」

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―それから数分後

みゆがギターを持ってきた。

メーカーはhistoryで、焦げ茶色の

ギターだった。

「じゃ、歌います」

みゆの歌声は、ものすごく上手かった。

高めのハスキーな甘い歌声だった。

「お前、相変わらず上手いな」

「えっ、歩が言よるの初めて聞いた (笑)」

歩が頭をポリポリかいた。

達也とあいは、笑っていた。

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その数時間後、みゆが夏希に

LINEグループを作ろうと提案した。

歩も加わる

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「歩くん、よろしく😊」

「おっ、おう」

「歩 (笑)(笑)」

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その次の日、みゆと、夏希は

ギターを一緒に教室で弾いていた。

「聞いて、夏希」

「どしたん?」

「歩にキスされた。」

夏希は、飲んでいるお茶が吹き出しそうに
なった。


みゆの頬は少し赤かった。

「私のことまだ好きらしい」

「だと思ったわ。昨日Skypeで
歩くんめーちゃ、みゆを見よったもん (笑)」

夏希は手を口元に押さえて笑った。

「思ったんやけどね、なんで歩くん、
こっち帰ってきとん?」

「それ、聞いたの。そしたら
お父さんの体調が悪くなって、それで
帰ってきてたらしい」

「そうやったんや」

みゆが、更に頬を赤くした。

「夏希ー。昨日ね歩に、「明日、俺ん家
来ない?」って言われたんよー。」

「えっっ!!!!!!!」

夏希はものすごくびっくりした。

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帰り道、夏海は商店街を歩いていた。

その時、健太に会った。

「健太おじさん!」

健太は、美味しいと有名のとんかつ屋で

とんかつ弁当を買っていた。


「おっ、夏希やん!どうした?」

「えっ」

「めっちゃ深刻そうな顔しとる」

「ばれちゃった」

夏希は、健太に、みゆと歩のことを

話すことにした。

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「、、、、、」

夏希と健太は、商店街の近くの公園の

ベンチに座っていた。

「、、、夏希、俺、ちょっと、
その歩くんって子に話したいんやけど」

「、、、健太おじさん、怒らんでよ。
歩くん、優しい子なんやけん」

その時、健太がパンっと両手で自分の頬を叩いた。

「夏希、ちょっと俺の話聞いてもらって
いい?」

「いいけど」

健太が口元に手を抑えた。

頬が少し赤かった。

「俺、、、高校の時、夏海としそうに
なったことあった、、。」

「えっ?」

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―10年以上前

健太は、夏海の部屋で夏海とキスをした。

健太は、夏海を押し倒した。

8月の暑い時期だった。

時間帯は昼頃だった。

「健太、、、」

夏海の顔が赤かった。

健太は夏海に何度もキスをした。

甘酸っぱい夏の時間だった。

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「夏海、めっちゃ顔赤くて、
俺も相当顔真っ赤にして、夏海に
キスしてたと思う。
、、、、歩くんの好きな子に触れたいって
気持ち、分かるんだよ」

「、、、、、」

「歩くんの家に行こうか」

健太と、夏希は歩の家へと向かった。

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健太が山田家の玄関のインターフォンを

鳴らした。

出てきたのは歩だった。

「あっ、夏希ちゃん、、、誰ですか?」

歩は健太を見た。

「俺は、夏希の父親の友達、、、
歩くん、みゆちゃん中におるんよね?」

「あっ、、はい」

「ちょっといい?」

歩は不安そうな顔をした。

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「、、あ、、夏希?」

「どしたん?」

みゆは、ソファーで毛布にくるまって寝ていた。

制服のブレザーとリボンが床に落ちていた。

「、、、、、、歩くん」

健太は、その場に胡座で座り込んだ。

「健太さん、どうしました?」

「簡単に好きな子に手出したらいかん!!!!」

夏希はびっくりした。

「歩くん、本気でみゆちゃんのこと
好きか?」

歩はソファーに座った。

コクコクと頷いた。

顔が真っ赤だった。耳まで真っ赤だった。

「歩くん、もし歩くんが簡単にみゆちゃん
と性行為して、みゆちゃんが妊娠
したらどうするん?歩くんの人生も
みゆちゃんの人生もめちゃくちゃになる」

「、、、、健太さん、でも感情が
抑えきれなくて、みゆに対して変な気持ち
になってしまいます。」

歩は両手で顔を隠した。

みゆは泣いていた。

「夏希のおじさん、そうだよね。」

健太は、歩にもう1つ聞いた。

「歩くん、本気でみゆちゃんの
こと好きか?」


歩は両手で顔を隠したまま言った。

「好きです、、、」

「やったら、そう簡単に好きな子に
手を出したらいかん。
最終的にみゆちゃんが
傷つくことになる。」

みゆは、涙をものすごく流していた。

「みゆ、ごめんな」

歩はみゆを抱きしめた。

夏希は、じっと見ていた。

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その夜、夏希は夢を見た。

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場所は近所の海で、防波堤で歌っている

人を夏希は見ていた。夏海だった。

「あっ、健太ー!」

(健太おじさん?)

その時、夏海は健太とキスをしていた。

その後、2人は抱きしめあった。

「健太、生きたい、死にたくない」


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―早朝

夏希は、あいが飾っている写真立てを

綺麗にしていた。

磨いていた。

「夏希、磨いてくれてありがとう」

あいは、夏希の肩をポンッとした。

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夏希はベットで横になっていた。

(夏海さん、、、、)

その時、スマホの音が鳴った。

みゆからのLINEだった。

「夏希、、、、歩ともう1回付き合うことになったの!!歩、 自分の気持ちめっちゃ
話してくれたの!」

夏希は、嬉しすぎてニヤけそうだった。

「みゆ、よかったやん😊」

―夏希ちゃん―

夏希は、夏海の声が聞こえたような気がした。

夏希は、生まれて初めて曲を作った。


―I love you―   作詞作曲 夏希

「会いたい」

ものすごく思ってた

「好き」

ずっと想ってた。

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その後、夏希とみゆは、本格的に

一緒にギターを始めた。

「I love you」を、一緒に歌い始めた。

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