ジュリエット釣り【毎週ショートショートnote】
政治家の秘書のロミオと、大臣の娘ジュリエットは婚約者だった。
しかし、ジュリエットは何者かに殺害され、湖に遺棄された。
そうとは知らず、ロミオは呑気にその湖で釣りを始めた。
ロミオの釣り竿に大物がかかった。
引き揚げてみると、金色に輝く女神であった。
「青年よ、貴方の婚約者は金のジュリエットか、銀のジュリエットか、それともこの骨になったジュリエットか……」
女神はロミオに三択を迫った。
「普通のジュリエットは、選択肢にないのですか?」
ロミオは女神に質問した。
「ない。さあ、この中から選べ。」
女神の三択に、ロミオは頭を抱えた。
(寓話的には、金と銀を選ぶと損をする。
しかし、この選択肢に【普通】が無い。
そもそも、何で骨なんだ。)
ロミオは、金を選んだ。
すると、忽ちロミオの体は金塊へと変貌した。
「ああ可哀想に…ジュリエット。せめてこの金塊を売って、安全な所へお逃げ!」
女神に蘇生されたジュリエットは、国外で平和に暮らしたとさ。
金の斧風にショートショートを書いてみました。
ロミオが骨を選んでいたら、結末は変わったのでしょうね…。
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