さらぬわかれ 73

「妖刀【櫻葉】?そんな物をどうして床の間なんかに置いているの。」
栄子はあの恐ろしい気配を思い出していた。
恒太たち住人は、ずっと側に置いているから感覚が麻痺しているのだろうか。

「危険な物だからこそ、お義父さんは目の届くところに置いておきたかったのかもしれないわ。」
波留日が恒太の祖父の肖像画に目を遣った。

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