2022年10月の記事一覧
さらぬわかれ 101
「某が会った村人は、山村家の…父上に言われて、さくらを殺したと言っていた。
役人が調べた後、さくらの遺体は燃やされ、この桜の木の下に埋められたのだ。」
恒之新は桜の幹を撫でた。
さらぬわかれ 102
「某は山村家を皆殺しにしようとした。山村に仕えているもの、母上、兄弟、そして首謀者である父上。次々と斬り殺していった。」
恒之新は震えながら、自らの両手を凝視していた。
「…ちょっと待った!山村家を皆殺しにしたら、僕たちは存在しないよね。貴方は『誰』かを殺しそびれたことになる。」
恒孝が口を挟んだ。