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さらぬわかれ

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村の1本の咲かない桜の木。 その木には、曰くがあり…。 8歳のまま成長を止め意識のない姉とその妹の話。 GREEのコミュニティで発表していた小説(2009/1/17~)の完全… もっと読む
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2021年9月の記事一覧

さらぬわかれ 43

朝起きると、雨が降っていた。南の部屋も日差しがないので肌寒い。
栄子は桂の上半身を起こし、肩掛けを掛けてやった。

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さらぬわかれ 44

安堵したのは、束の間だった。

席に着くと、恒太は隣の鈴原と何か話していた。昨日のノートを取り出したから、借りたお礼を言っているのだろう。
それだけのはずなのに、栄子はモヤモヤしていた。

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さらぬわかれ 45

実際、恒太は友達と仲が良いにも関わらず、栄子や桂のことを優先してくれた。下手したら、恒太だって栄子と関わることでいじめられていたかもしれないのだ。

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さらぬわかれ 46

「山村さん、お久しぶりです。」
校長が校門で恭しく頭を下げ、山村という男性を出迎えた。40代前半位、田舎には似つかわしくない高級スーツを着こなしている。

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さらぬわかれ 47

(ごめんね、恒太。)
一応受験生なので嘘にはならないけれど、恒太を拒絶したことで、栄子の心は痛んだ。

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