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さくらゆき
2021年7月7日 12:32
屋敷の敷地内に入ると、急に背筋がヒヤリとした。(なんだろう?今日はお天気で暖かいのに…。) 栄子はこれ以上考えるのを止めてしまった。この異質な家の気配に明確に気付いたのは、恒太の見舞いに来た現在である。
2021年7月14日 12:32
その時、乱暴に玄関を開けた音が屋敷内に響いた。 誰かが帰ってきたらしいが、挨拶もなく、荒々しい早足の音が栄子達のいる和室に近づいてきた。 そして白髪頭の男性が和室に入ってきた。この家の主、つまり恒太の祖父である。
2021年7月21日 13:44
「さあ!この家から出てけっ!!」と、恒太の祖父は栄子の腕を無理やり引っ張った。「痛いっ…」と栄子は悲鳴をあげた。
2021年7月28日 13:18
「しばらくは、栄子と目も合わせられなかったな…。」と、あの頃から成長した恒太が苦笑いした。「うん、私も。」と、栄子も頷いた。