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#夢見るそれいゆ
紫陽花の季節、それいゆ
「紫陽花の季節、君はいない」の番外編です。
2022年6月21日、夏至。
どんよりとした曇り空、俺は朝から気分が落ち込んでいた。
夏至は、俺の恋人だった八幡宮の紫陽花の精霊【紫陽】が消えてしまった日で、今年で丸2年経った。
職場には何とか出勤したものの、どんどん具合が悪くなってしまい、正午になった頃には仕事が出来る状態ではなくなっていた。
「…ねぇ、大丈夫?」
同僚の女性が心配そうに、声を
紫陽花の季節、君はいない 88
「気をつけて行ってきて下さいね、夏越殿!」
「くれぐれも、失礼のないようにな。
人間にもそれ以外にも。」
御葉様と涼見姐さんに見送られる形で、俺は八幡宮を後にした。
鳥居の外に出ると、急激に蒸し暑くなった。
厚めの雲の切れ目から、光が射し込んでいる。
俺は一旦自宅に戻り、夏越の祓で拝受したリース型の茅の輪守を玄関の壁に吊るした。
まるで彼女を探し出す決意表明のようだと思った。
行動を始めるな