えっちゃんの俳句部屋 

九十四歳の母と俳句やっています。 2023年母と二人で句集を出しました。   母 加藤…

えっちゃんの俳句部屋 

九十四歳の母と俳句やっています。 2023年母と二人で句集を出しました。   母 加藤節江『風が吹く』     里   私 柳堀悦子 『鼓動』     晨同人 里人 氷室会員 YouTube俳句LOVE に二人の句集の朗読を載せて頂きました。

最近の記事

氷室 五月号を読む

尾池和夫主宰 瓢鮎抄(185)より 休明け研究室に新茶の香 うなぎ亭支度中なり桜散る 烏賊釣や烏賊きうきうと鳴いてをる 無農薬バナナ齧るもまだ未熟 老鶯のこゑ消す天竜川こ急 東京に着きまつさきに初鰹 城跡とて高さなばかり靭草 巣の縁ぞ等間隔に燕の子 藤棚のあると知らせる熊ん蜂 季語つれづれ番外 165 166 尾池主宰 初夏天文 【茅花流し】   植物  【ひとつばだご】

    • 句集『金魚』阪西敦子 ふらんす堂

      阪西敦子さんの第一句集 『金魚』に付箋がこんなに沢山になりました。 繰り返し読んでも実に心地よく読むたびに付箋が増えていきます。 その中で私の好きな初夏の句をいくつか抜きだしてみました。 『金魚』 阪西敦子句集 ふらんす堂 金魚揺れべつの金魚の現れし  どくだみや誰か口笛吹いた道 初夏やからりと回る洗濯機 雲見れば島動きたる五月かな 母の日の少女は口を開いて寝て あぢさゐの囲む何もなき広場 初夏の塔より出でて列の尾よ 犬小屋にけふは犬なし吹き流し 大地我が後ろにありて夏の

      • 句集『しなやかな線』

        吉田祥子 文學の森 令和五年五月発行  「未来図」同人 未来図後継誌「磁石」創刊 編集同人 ながさく清江先生 超結社句桜田句会でご一緒の吉田祥子さん第一句集『しなやかな線』を読む。 小学校の教師をしていらっしゃる祥子さん、どのお句も自然体であたたかく魅力ある作品の多い句集です。 指先 くちびるに触るる茶柱春兆す 加賀金すべて撒くごと大花火 春浅し指先白く母の逝く 月光に清められたる蛇口かな カメラより主役逃げ出す七五三 臍の緒は神採寸冬深む 蟻の列子はひたすらに俳句詠み 天

        • 俳句と短歌と八重桜

          俳句 満ちたりし日差しの中の八重桜 八重桜さくら色せしポストあり 春闌るドーナツチョコの穴に指 桜蕊降る染井吉野はみなクローン 短歌 満ちたりて日差しの中の八重桜さくら色せしドーナツを食む 桜蕊降る染井吉野はみなクローン思ひ投ずる染井のポスト 春闌るドーナツのチョコ指に付く舐めて覗くは青空の雲 #俳句 #短歌

          ながさく清江 先生『春野誌』2024年度作品を読む

          結社誌『春野』2024年 1月号〜4月号掲載 40句 三月に九十六歳のなられたながさく清江先生の今年度春野結社誌への掲載のお句をご紹介致します。 清江先生のどのお句も師の真っ直ぐに俳句に向かうお姿が見え 朗々としたお声が聞こえてくるようです。「人生の写生をと心掛けている」とおっしゃる清江先生 (同人誌『里』一月号の貴方にとっての写生とはの問いへのご回答)俳句を愛する現役作家として限りない俳句への情熱を感じます。 一月号 秋麗の橋くぐりくる水の綺麗 花野みち面影のひとみな笑顔

          ながさく清江 先生『春野誌』2024年度作品を読む

          俳誌を読む

          清江先生から俳誌二冊送って頂きました。ありがとうございます。 『知音』三月号  行方克巳代表 なまこ的 口噤ぐなまこ半分ほど凍り なまこ的処世訓垂れ海鼠食ふ 初夢のみぐるみ剥がれたればなまこ わが追ひつめて凍蝶となりにけり 西村和子代表 寒威 薬指強張るままの寒の入 寒威天に張りつめ四海真つ平 この窓の平和いつまでも寒夕焼 寒烏ひと声発せずにはおけず 中川純一   振袖は風切る翼成人式 流氷に乗りて来世の我は鷹 階の落葉踏む音より吟行 松井秋尚 下枝を日に燃やしたり冬紅

          俳誌を読む

          『樹』『萌』『泉』『空』 ながさく清江先生から御恵送頂きました四誌を読む。 『樹』四月号 第351号 屋根替 丹波真一 代表 町内に伊勢ノ海部屋海老飾る  朝東風や大樹をのぼる水の音 目薬の木を探しをり春の山 ぶらんこの雲蹴り上げる高さまで 春の炉やざうざうと鳴る屋敷林 風騒ぐ雛の調度の駕籠牛舎 大八の車輪立てかけ屋根替ふる 『萌』四月号 第316号 花の山  三田きえ子主宰 松は花仕立てて並木なせりけり 白粥に春のかたみの箸つかふ 法灯のほかはおぼろの山家の灯 木の芽風

          句集『今と決め』安倍川翔

          フランス堂 平成26年版 ながさく清江先生の超結社句会「桜田句会」でご一緒いている 知音同人 安倍川翔さんの句集です。 西村和子先生帯  行方克巳先生序 春の灯やドライマティニもう一杯 騾馬を牽く青年の背に陽炎ひぬ マンゴーと豚の頭を並べ売る 日焼けしてオレンジ色の似合ひたる 外灯に透けて守宮の動かざる 正装はバミューダショーツ虫の秋 貨車の列葡萄畑をゆつくりと 春愁や硝子戸くすむ基地の町 泣き止まぬ子の重たさよ冬木の芽 大鳥居すいと潜りてつばくらめ フランスパンはち

          句集『今と決め』安倍川翔

          俳誌を読む

          里11月号 堀切克洋 トルコブルーの朝顔 前号特別作品野名紅里 『勉強机』二十句を読む 青蜜柑乗せて勉強机かな  野中紅里 本物のりんご玩具の聴診器 絵描きうた丸にはじまり小鳥くる 短歌365 真中朋久 選 鑑賞 賀状のみの間となりし人人の朧となりゆく師走また来ぬ  東睦夫 『生駒領の麓』 里集 抜粋 一蹴りで一万人に秋の虹  小佐治 赤い歯をこぼして笑ふ柘榴かな 月湖 ハロウィンの池田主任の仮装かな 加藤節江 落葉の一樹護れる太き注連  叶裕 天の川更けて煙突残りたる

          『三日月』12月号

          『三日月』会報を読む 川越歌澄さんの三日月 会報 毎月 手作りの誌面に可愛いポストカードが届く。 川越さんは私の好きな俳人 俳句センスの良さかとても心地よい。 三日月 12月号を読む 川越歌澄さん 今月の一考先生の一句 点ずれば寒灯消せば雑木林 一考 微熱 川越歌澄 4句抽出 小鳥来るやうに雨来る樺林 太陽をまとふ白樺今朝の冬 砲身の奥の微熱や冬紅葉 風呂吹きの寄添ひあひて盛られけり わが影のながながと伸び秋惜しむ 影法師 福石に小石積み在る小春かな きよみ 淡々と木

          日々是好日 

          母の句集『風が吹く』朗読が1400再生を超えました。 ありがとうございます。YouTubeチャンネル 俳句LOVE 今年5月に 九十二歳から始め同人誌『里』投句二年目で 俳句 第一句集『風が吹く』上梓

          昭和女流俳人 池上不二子句集

          昭和31年発行 近藤書店 池上不二子 新選女流俳人叢書 昭和三十八年 刊 寒紅に老いのこころの遊ぶなり 金銀のうろこ飛び散り櫻鯛   抱き寄せし吾子もろともに東風の中  初蝶の空新しく流れけり 冬の浪岩間があげし大しぶき 冬雲や川面一筋暮れ残る 流燈を置くとき額の大映し 額ぬか 流燈のつぎつぎ橋をくぐりゆく 七夕竹切り倒したるふかみどり 足もとに朝の蟲鳴く山晴るる 父を訪ふ 曼珠沙華楽しき花と今日は見き 春寒のことに茂吉の忌日かな 雑沓の中に鬼灯市青し ひるがへる葛の葉裏の

          昭和女流俳人 池上不二子句集