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新商品のポイントは「キャンプ」「お米」「パステルカラー」~春のおもちゃ商談会2023

今回は、おもちゃ屋・おもちゃの歴史ではなく、最新のおもちゃのお話です。
先日、浅草で行われた春のおもちゃ商談会に行ってきました。
私は55年間続いたおもちゃ屋「さくらトイス」の二代目社長を務めていて、現在はもうお店を畳んでしまっていますが、おもちゃの展示会には足を運び続けています。

おもちゃは時代や世の中を反映する

これまで、おもちゃ屋の娘として、またおもちゃ店の経営者としておもちゃを見続けてきて、「おもちゃは時代や世の中を反映する」ということを実感しています。
だから、おもちゃがどう移り変わっていくかを知りたいのです。

1月の商談会は、3月~5月くらいまでの新商品発表会です。
コロナで一昨年は中止、昨年は開催寸前に中止で3月に日程変更。
今年はやっといつもの日程で開催されました。

その中から、私が注目した、今ならではのおもちゃ、ヒットしそうなおもちゃのポイントをご紹介します。まだ発売前の商品が多いので、具体的な商品名を出せないものもあることをご了承ください。

1:キャンプ・アウトドアブームが、おもちゃの世界にも

キャンプやアウトドアで楽しむファミリーが、コロナをきっかけにますます多くなりました。その流行は、おもちゃの世界にも反映されています。
ロングセラーの人形に、テントや寝袋などがついたセットが発売になるそうです。
家族でアウトドアレジャーを楽しんだら、お家でごっこ遊びができますね。
テントがワンタッチで開き、寝袋もたたんで背負えるなど、しかけも楽しかったです。

2:お米でできたおもちゃが各社に広がる

「純国産 お米のおもちゃシリーズ」を(株)ピープルが販売を始めてから10年以上が経ちます。
今回の展示会ではピープル以外でも何社かお米を原料とする積み木やブロックも出てきました。
中でも、ダイヤブロックの新商品「OKOMEIRO(オコメイロ)」はブロックの角を丸くしてあり、従来よりもはめたり外したりがしやすくなりました。

お米を原料とする素材独特の色も優しくおしゃれで、パパ・ママの心をつかみそうです。

3:原色からパステルカラーへ

2の「OKOMEIRO」と関連しますが、おもちゃの「色」が変わってきました。
以前は、おもちゃの色と言えば「赤」「黄色」といった原色がほとんどでした。これは、まだ視力の発達していない小さな子どもは、はっきりした色の方が見やすいという理由からです。
 
でも近年、世界的にパステルカラーのおもちゃが増えてきたのです。
4~5年前、あるおもちゃメーカーの社長が、「ヨーロッパの展示会に行ったら、パステルカラーのおもちゃばかりだった。日本のおもちゃも今後そうなるだろうね」と言っていたのを覚えていますが、その通りになりましたね。
 
今回紹介されていた新商品のおもちゃも、パステルカラーのものが多く見られました。これには、海外の色の影響もあるかもしれませんが、日本のパパ・ママ世代の好みも影響していると思います。
 
2000年ごろから流行りだした、色々な癒やしキャラたち。
「すみっコぐらし」や「ちいかわ」なども、水色やピンクなど淡くて優しい色をしています。
若いママたちは、まさにこうしたパステルカラーのキャラクターで育ったので、子どもにも自然にパステルカラーのおもちゃを選ぶのかもしれません。
 
おもちゃで遊ぶのは子どもたちですが、買い与えるのは親なので、親が好ましく思う色のおもちゃが人気を集めるのでしょう。

シルバニアファミリー(エポック社)の新商品、フローラウサギファミリーも、淡く優しい色ですね。かわいい!


昭和27(1952)年から55年間続いたおもちゃ屋「さくらトイス」の思い出話を毎月更新しています。こちらもぜひご覧くださいね。

編集協力:小窓舎

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