光の速度って30万km/sじゃないです。実はもっと遅い。5Gを前にして。

「光より速いものはない。それは30万km/sだ」

そう思っている人は多いかもしれません。でも、一面の真実は含みますが間違いです。正確に言うと、これは「真空中の光」の話です。それ以外ではもっと遅いです。

光ファイバー内の光速度は20万km/sです。一秒に地球を5周ですね。速いと言えば速い。でもネットは地球の裏まで繋がります。往復で0.4秒。

遅いです。あまりにも遅い。

実際、アメリカではニューヨークと西海岸で、タイムラグがありすぎて大問題だそうです。株の売買はコンピュータにより1μsの差を争っていますから、10msの遅れなど論外なのです。そこで、東西を「極力直線で結ぶ光ファイバー」というものが存在するそうです。恐ろしいですね。でも、これを使うと他所よりも1msぐらい早く売買ができるので、かなり儲かるらしいです。

そこでamazonCEOのベゾス氏は考えたようです。

「光ファイバーはだめだ。やっぱり真空中の電波だよ」

つまり通信衛星です。静止衛星なら数個で地球をカバーできますが、これは地表から36000kmも離れているので、遠すぎでNGです。そこで高度200kmぐらいの低軌道に飛ばします。

 しかし、これは静止軌道ではない上に、地球に近すぎで一個がカバーできるエリアが狭い。なので大量にばらまきます。1万個ぐらいですね。ベゾス氏はブルーオリジンというロケット屋を所有しています。これですでに30個ぐらいを打ち上げ済だそうです。

ちなみに競合はテスラのイーロンマスク氏です。スペースXという会社でほぼ同じことをやっています。でも、マスク氏は本業のテスラがコケそうなので、こっちも資金面でアウトでしょう。残念なことです。

なお、通信速度はこのプロジェクトのメリットの一つに過ぎません。最大のメリットはネットのカバーエリアを広げることです。いまだにインターネットに接続できないエリアはたくさんあります。通信衛星を使えば、全地球をカバーできるわけです。


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