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当たり前となった失読症:だからパワポだったのだ^^;

みんな大好きパワーポイント(笑)。20年ぐらい前から会議と言えばこれが定番となった。会議準備となると、こぞってパワポの小技を駆使し、きれいな資料を作ったものです。

役に立たないのですけどね^^;

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図とグラフは、分かったような雰囲気を出すには実に便利。例えば、起業家が投資家を騙すのにはうってつけです。だから孫正義氏は多用する。

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一見もっともらしい。しかし、考えてみると情報量がものすごく少ない。

情報伝達を本気でしたいのならば、文字で要点を記述したほうが、ずっと有効なのです。(注1)(注2)

ちなみにAmazon前CEOのベゾス氏はパワーポイントが大嫌いで、会議資料は数ページの文章に要約させるというのは有名です。それを会議開始とともに全員が熟読するのです。

日本の会議でまともな結論が出ない理由の一つは、たぶんこれでしょう。

注1:プレゼンターが、文章(文)を見せるのを嫌う強い理由が一つある。言質を取られたくないのだ。図の受け取り方には、強い主観が入る。しかし、文章はかなり客観的だ。
 「データと推論の間には強い関係がある」と書いてしまったら、それがTwitterで拡散するのも容易だし、そうなると「証拠は?」となる。
 厄介なのです。上の図を見せただけなら、あとは口頭で適当な説明をすればいい。証拠は残らない^^;
注2:私の前の職場であるコ○ツ研究本部では、ある時期から研究報告会議の資料がパワーポイントに置き換わりました。
 その結果、何が起きたかと言うと、事実上議事録がなくなったのです。
 もっと怖いことに、研究成果の報告書が作られなくなった

 過去の会議で何が報告されたかなど、パワポの資料を見てもわかりません。報告した当人だって何を喋ったか忘れている。
 だから「技術の蓄積」は行われませんでした。

 というか、どうせ研究会議なんて誰も聞いてなかったですけどね(笑)
 それだからこそ、この体たらくが問題にならなかったのです(爆)(注3)
注3:このことに、私も今更ながら気づいて爆笑してしまいました。
 コ○ツ研究本部には、少なくとも私が在籍していた1990年~2010年までの、研究の記録がほぼ存在しない
 これを裏付ける強い証拠があります。私自身が、(外部に出した数件の論文を除けば)自分の仕事の結果を文章で残したことがありません^^;
 研究報告会議でOKをもらえば、それで終了したのです。

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さて、何故こんな馬鹿げたことになったのか。

どうも、今世紀に入ってから、多くの人が文章の読み書きができなくなったかららしい。

私の知る範囲でも、まとまった文章を書く人はほとんどいなかった。おそらくは書けないのです。メールすら書けない人も珍しくなかったです。

また、読まない人も多かった。資料が存在しても長文は読まない。仮に読んだと言っていても、内容を理解していない。当時は、私は長文は読むのに時間がかかるから、忙しくて読まないのだと思っていました。

そうではない。読めなかったのです。

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参考資料

記事の主旨とは関係ないですが、さらっと怖いことが書いてあります。
いまや失読症は病気ではない。メガネを掛けないと見えない人がいるように、いて当たり前の存在なのです。

選択して読み上げは、名前の通りに画面内の文章を選択するとそれを読み上げてくれるスクリーンリーダー機能です。人口の20%程度が失読症の影響を受けているとされており、読み上げ機能は重要なアクセサビリティの1つとなっています。


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