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柚子胡椒に恋して



私の仕事は飲食店の接客、
私が勤めている飲食店のお品に、
「黒毛和牛の炭火焼」がある。
この黒毛和牛の炭火焼の横にはちょこりんと、柚子胡椒と山葵が添えてある。

「どうぞお好みで、柚子胡椒、山葵をつけてお召し上がりください。」

と言ってご提供する。

この柚子胡椒が、
秋口から完熟柚子胡椒に変わった。

普通柚子胡椒は、深みのある茶緑色だが、
完熟柚子胡椒は、オレンジ色。

青柚子から、黄色く熟して色づいた柚子に、
唐辛子も青唐辛子から、赤くなったとうがらしになったものだ。

尚、「柚子胡椒」は、
こしょうという名前が付いているが、こしょうは使っていない。辛みのもとはとうがらしだ。

黒毛和牛の横に、ちょこりんと添えられた完熟柚子胡椒。

初めて見たときから、
「これ、絶対美味しいに決まってるやつ❗️」

作りたーい❣️

とずっと思っていた。

ベランダでは、
内藤とうがらしが空に向かってつんつんと、たくさん実をつけている。



お待ちしているのは、
黄色く香る柚子。

そして、
ついにその時はきた。

小田原の畑の帰りによく寄る朝どれ野菜のお店、
ここに黄色く色づいた本柚子が並び始めたのだ。

皮を使う柚子胡椒、無農薬の柚子がありがたい。

試しに1つ買ってきて、
きれいに洗い、黄色い皮だけを削ぎ切りにし、ベランダの内藤さんにも登場していただき、
丁寧にタネを取り
すり鉢で、一緒にゴリゴリと擦る。ひとつまみ塩を足して、はい出来上がり。
簡単だ!

これが、柚子の爽やかな香りと、
とうがらしのピリッとした辛味が合わさって、何とも言えない美味しさなのだ。

煮魚に、
おでんに、
餃子にも美味しかった。
冷奴の薬味にもいい。
暖かい蕎麦に入れると、
湯気と共に、爽やかな香りが立ちのぼり、口の中ではツバが溢れ出す。

柚子一個分の量だから、
写真に撮る間も無く、あっという間に食べてしまった。

「おいしい❣️」

久々のヒットだ。

今度はたくさん作ろうと、
柚子を3個買ってきた。

早く食べたくて、とうがらしの種を取る時に、手袋もしないで、素手でシュッシュと取った。
とうがらしは種が特に辛い、丁寧に取りたい。

柚子の皮も白いところが入らない様に、
丁寧に削ぎ切りにし、
すり鉢でゴリゴリとする。
ちょっと赤いとうがらしの形が残ってるけど、彩りとしてきれいだから、これも良い。


わーい🙌
たくさん出来た。


ここまでは良かった。
手をきれいに洗って、
タオルで拭いて、
さぁ、食べよう。

何気なく、タオルで鼻をクリっとしたら、
ヒリッとする。

うん?タオルでもう一度拭く。

「え!何?痛い!」
「イタ〜イ、え、痛いんだけど、何?何?鼻いたーい!」

もう、パニック状態。

鼻がいたい、熱ってくる。


素手でとうがらしの種を取り除いた時に、
手にとうがらしの辛味成分カプサイシンが、
タオルについたのだろう。
そのタオルで、鼻をクリっとやったもんだから、鼻の粘膜にカプサイシついてしまった様だ。

もー、辞めて!痛い!痛い!
水でよ〜く洗っても、痛みが取れない。

鼻の痛みはしばらく続いた。

痛みが落ち着いて、ようやく出来立ての柚子胡椒を頂いた。

素のお蕎麦に、ちょこんとと乗せて。


お蕎麦の湯気と共に、柚子のいい香り。

香りを嗅いだ鼻が、またちょっとヒリっとしたが、
柚子の爽やかさの中に、とうがらしのピリッと感がいいアクセントになって、美味しかった。


とうがらしを扱う時は、
しっかり手袋をしよう!

因みに、分量は柚子一個に、生のとうがらし1本、塩ひとつまみで作りました。





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