大人の遠足だ〜（立山三山縦走）
2年前、紅葉の立山に感動して、
またこの紅葉の時期にやってきた。
立山は、雄山、大汝山、富士の折立、の三山の総称だ。
前回来た時は、山の大きさに圧倒され、3つの山を回れるか不安になり、雄山だけの登山だった。今回は3つの山を歩く。そして、今回は一人登山ではなく、登山好きのおっさんと。
おっさんとおばさんの山登りだ。
おっさんの長期天気予報が当たり、出発の28日は東京は青空が広がっている。
待ち合わせの長野駅に向かう新幹線の中で、空を眺めウキウキしていた。
しかし、新幹線が長野に近づくに従って、曇り空に。
長野駅から、バスに乗り換えるため外へ出ると霧雨だった。
「あーあ、雨になっちゃった。」
「いや、今日の午後には上がって、明日から晴れだから」
自信満々におっさんが言う。
今日は、この長野からバスに乗り
立山の登山口室堂へ行くために、まず扇沢へ向かう。
東京から、立山室堂へ行く方法は2通り。
長野扇沢からいくつも乗り物を乗り継いで行く方法と、富山から地方鉄道で立山に入り、ケーブルカーとバスで向かう方法だ。
今回は、長野から室堂へ向かうコースを選んだ。
ロープウェイから見る黒部平の紅葉を期待してだ。
1時間ちょっと、バスは扇沢へ着いた。
ここからスタートの写真を撮ろと構えるが、霧で辺りは真っ白だ。だから写真ない。
ここから、
電気バス
ケーブルカー
ロープウェイ
トロリーバス
と4つの乗り物を乗り継いで、室堂へ行く。
まず電気バスだ。バスが走り始めると、黒部のキャラクター「クロニャン」が大きく手を振ってくる。
「かわいーい！」
「楽し〜い！」
遊園地のジェットコースターが、
カタカタと高度を上げて行く時の様な、変な高揚感で、思わず声が上がる。標高を1000m上げて上がって行くので、ジェットコースターと一緒だ。
「大人の遠足だな。」
隣でおっさんが笑う。
いいじゃない！いろんな乗り物に乗れて楽しいじゃない。
15分程でバスは黒部ダムに到着する。
黒部ダムの観光放水を見学中、
いよいよ霧雨が降ってきた。レインウェアを着こむ。
水がきれい。晴れていれば、大きな虹もかかっているが、今日はないね。
次はケーブルカーで黒部平へ
紅葉は始まったばかりの様だ。
ナナカマドが赤く染まり初めている。
2年前に来た時は、ここは真っ赤で素晴らしかった。今年は暑いから、紅葉も遅めの様だ。
ロープウェイに乗る。
ロープウェイの下の斜面は大展望が広がっていて、紅葉の時期は圧巻なのだが、今日はガスガス、紅葉してるのかどうか、下がまったく見えない。
ここの紅葉が見たいから、長野扇沢から室堂に行く事にしたのに〜、もう〜。
「まぁ、まぁ」
と、おっさんになだめられ、大展望のはずの大観峰に到着。最後はトロリーバス（電線から電気を取って走るバス）で標高2400mの室堂だ。
到着した室堂は人でごった返している。
窓から見る外の景色は真っ白。下山してきた人達はレインウェアをまとい、それには小さな水滴がぷつぷつと付いている。
お昼をここでゆっくり食べて、
お天気の様子を見て出発する事にした。
今回の立山登山は、美味しい物も食べよう計画。
一つ目、白エビのかき揚げ！
サクサク旨味たっぷり、昆布を乗せたご飯も美味しい。白エビたっぷり乗っていて大満足。
相変わらず、外は真っ白。
雨の装備に着替えて、室堂から、今日泊まる予定、剱岳が見える「剱御前小舎」に向けて出発する。
真っ白で何も見えないみくりが池を超え、雷鳥沢キャンプ場へ向かう。ここまではゆる〜い下り道だ。
ここから２時間斜面を登って行く。
レインウェアのフードが無くてもよいくらいの霧雨のだ。しかし展望はない、どこまで登ったのかもわからない。
休憩を挟みつつ、登るしかない。ザラザラの砂利の登山道をひたすら登る。
「明日から、高気圧が入ってきて、天気がいいから」
というおっさんの言葉に元気をもらい、辛抱して登ると、突然すぐ上に小屋が現れた。霧で視界が悪いのでわからなかった。もうここまで登ってきていた。
小屋には、予定より少し遅れて16寺半の到着だった。着替えを済ませて、すぐ夕食の時間で食堂へ急ぐ。あったかい味噌汁が冷えた体に染みる。
夕飯の後、ストーブの前で室堂で買ってきた立山ビールで、1日目のご苦労様会をしていたら、
「星が出てますよ！」
と、他のお客様が教えてくれた。
外へ出ると、きれいに雲がとれて沢山の星が輝いていた。
そして小屋の左下を見ると富山の夜景が、宝石の様にキラキラしていた。
「わぁ〜、晴れた！きれい。」
明日は楽しみだなぁ。
つづく。
https://note.com/sakurasaku369/n/n4cc90d17a781
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