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晴れた〜(立山三山縦走)2日目

知識より経験
今回一緒に山を歩くおっさんは、登山歴15年以上、その経験から天気の予報が当たった!
大潮が来ると台風が発生し、それが通過すると高気圧に覆われて、快晴になる。

まさに快晴だ。

こんなすごい景色のところに泊まっていたんだ。目の前には剱岳が、剱の刃先がギザギザとしているところまで、ハッキリと見えるほど、近い位置にそびえている。

東の空がだんだんと明るくなって、素晴らしい山歩きを予感させる。
昨日は何も見えなかったが、ここからは、室堂の全景が見える。
昨日はこれだけ高いところまで上がって来たんだ。

7時半、気温は多分2.3度
歩き始めは寒いのでニット帽を被って、
さぁー、立山三山縦走出発〜。

おっさんは、剱岳を見に、ここまで登って来たことはあるが、翌日は天気が悪く、立山は登らず下山してしまったので、ここからの登山道は初めてだと言う。

期待通りの晴れの中、二人してワクワクの出発だ。まずは別山を目指す。

登ること30分、剱岳好きのおっさんは、
さらに大きくダイナミックに見える剱岳に感動している。

「好きな山なんだよ。いつか登るとき、一緒に行くか?、ガイド付けるから。」

と言うが、ギザギザして怖い岩山、山頂でコーヒーが飲めない山は、

「見るだけにしときます。」

と答えた。
三代霊山の立山では、剱岳は地獄を表している。ギザギザした山容は、体を刻まれるのをイメージする。見るのも怖い山だと思っていたが、こうして近くで見ると、芸術的なカッコいい山だ。ギザギザの一つ一つが、美しい。

剱岳に感動しているおっさんに、

「ここでしばらく剱岳とはお別れですよ、写真いいですか?」

剱岳と一緒の写真を撮ってあげて、
次の山、真砂岳に向かう。

ここまでの道も、ザラザラの砂利道で歩きやすかったが、そんな道がしばらく続く。
斜面に付けられた細い登山道を、谷側に滑らない様に進む。

向こうに立山が見える
歩いて来た道を振り返る

素晴らしい天気、伸びやかに続く稜線、稜線ラブな私は、ルンルンと進む。
気持ちい〜い!

ちょっとおっさんのペースが遅れ始める。

「大丈夫ですか〜?」

後ろを振り返り叫ぶと、

「大丈夫だから、自分のペースで歩いて、」

と言うが、私も少し休憩しようと、
リュックを置いて待つ事にした。
気温が上がって来た。ニット帽をしまい、上着も脱いだ。
風が気持ちいい。

真砂岳を過ぎて、いよいよ立山三山の富士の折立だ。
ここまでは、歩きやすい登山道だったが、ここからは岩場になり、標高も上がる。
手前で長めの休憩を取り、
さぁ、登ります。

これが富士の折立のはしっこ
立山三山の山頂が並ぶ

40分ほどで、富士の折立の肩についた。
富士の折立の山頂は岩の塊の上。
リュックを下ろして、空手で登る。登山道はない、ルートを自分で選びながら登る。
女の子が降りてくる。

「ルートが難しくて、気をつけて。」

身軽に降りて来た女の子だが、
私はあと一つ、この大きな岩を越せば山頂という所で怖い。
大きな岩は一歩では登れない、登った先の状態が見えない。
私は実は、とても怖がりなのだ。
だから、無理はしない、安全なところしか通らない。
そんな怖がりが発動し、山頂は踏まずに、降りて来た。
すると、私が岩をよじ登っている姿を見ていた女性から、

「ナイス、ファイト!凄い!」

と褒められてしまった。

「山頂は怖くて行けなかったです」

と言ったが、そんなのいいの、チャレンジするのがすごい、と言ってもらった。

富士の折立を肩から見上げる
富士の折立の肩から、黒部湖が見える
下を覗くと雪蹊が

おっさんは、「俺は登らなくていい」そうだ。
ここまで登山者が少なかったが、急に増えて来た。
雄山方面から歩いてくる人がいるからだろう。
次の大汝山へ向かう道は少し渋滞している。
ベンチのある山頂直下にリュックを下ろして、また私だけ山頂へ。

大汝山登頂!

順番待ちして写真を撮った。

それにしてもいい天気だ。
目の前には、鹿島槍、針ノ木岳、名前を聞いたことのある山が、ずらりと並ぶ。

室堂を見下ろす

11時半、景色もいいので、ここのベンチでお昼ご飯にする事にした。
今日は山小屋で作ってもらったおにぎりだ。

では、いよいよ祠のある立山雄山に向かう。岩場をアップダウンしながら、20分ほどで、雄山登頂!

「やったー、三山歩ききったー!お疲れ様!」

おっさんはほんと疲れている(笑)
目を手術したばかりで、筋トレできなかったから、と言い訳しているが、まーよい。
12時ちょっと過ぎ、山頂では沢山の人がお昼休憩をしている。
神社に参拝し、登頂記念のお札を買う。

本当に天気がいい。
槍ヶ岳までくっきり見える。
おっさんの天気予報があった。この日に休みを取って!と言われ休み希望を出し、今日ここへ来ている。
今まで、沢山、山には登っているが、ここまで天気の良い日は初めてだ。
おっさんに、良い日を選んでくれて、ありがとうございます。とお礼を言って、コーヒーをゆっくり入れた。

槍ヶ岳を眺めて、コーヒーとチョコレートで山頂カフェ。

「山頂でこんなにゆっくりするのは初めてだ。」

というおっさんに、

「私はいつもです。この為に山に登ってる」

と言う私に、

「こんな登山もいいね。」

と言った。

右には槍ヶ岳、薬師岳
目の前は、鹿島槍、針ノ木岳、
眼下には、雪蹊

半袖でも寒くない、丁度良い気候の中、
ゆっくり景色を眺めて、ここ立山を開山した人々に想いを馳せる。そして、今日歩いて来た距離を噛みしめる。

険しい岩場を降ると、一の越だ。
その後は緩やかな岩畳を降っていく。

一の越から、雄山を仰ぎ見る
一の越山荘と、雄山

今日の山小屋は、
日本で一番最初にできた山小屋、立山室堂山荘だ。

当時の山荘(復元)


お宿に着いて、夕飯までの間にご近所散策。

まずはビールでご苦労様
紅葉の始まった斜面
前日は見えなかったみくりが池
みくりが池温泉、日帰り温泉終わってた。
ショック!
地獄谷、ぶくぶくしてる〜
岩殿岩屋

あんなに賑わっていた室堂は、今は静まり返っている。
山に抱かれて、夕日が沈む天体ショーをのんびり楽しませてもらった。

素晴らしい天気の立山、
西の空を真っ赤に染めて、ゆっくりと今日という日に幕を閉じる。

素晴らしい一日、楽しかったぁ〜。
ありがとう。

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