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121 2つのお仕事

ワタシはとあるグループ店の代表
倉田さんに会う事になった

倉田「さくらさん?」
ワタシ「はい。よろしくお願い致します。」

倉田さんはニコリと笑う
セットされた髪に高級そうなスーツ

…………
伊織さんとの思い出を嬉しそうに話す倉田さん

ワタシは(とても辛かったが)にこにこと話を聞いていた

そして連れていかれるミナミの風俗街

倉田「僕はここで。統括には話は通っているから大丈夫だからね?」
ワタシ「ありがとうございます」

倉田さんは一言
「また俺達会えると思う」
とだけ言って去っていった

ワタシはホストを長年やっているだけあって
こんな風に女の子を口説くんやろうなぁとだけ考えていた

○‪✕‬グループの統括 ヤマネさんが出てきて話を聞く事になった

ヤマネ「キタではちょっとだけスタッフやっていたんだよね?」
ワタシ「はい。でも……

……とワタシは このグループ内で働くのは半年まででお願いします。と
頭を下げた

ヤマネ「やりたい事があるんだよね
聞いている。その代わりかなり厳しく教える事になるよ?覚悟は出来てる?」

ワタシ「はい!」

ヤマネさんはふっと笑った

こんな小娘に何ができるんだというかのように

でもそれで良い
最初から期待されても逆に困る

ヤマネさんは資料を沢山持ってきて
*1日で覚えてきて下さい。*
と言った

そこには大量の女の子達と始めに覚える事などが書いてあった

無理すぎだろ……
と思いながらもワタシは受け取り
挨拶をして帰った

そしてミナミの新店舗に行く

消防の関係や照明の事をキツくキツく言われている

まずは先にその人らに会わなければならない

そしてお酒
特に高級ボトルにだけはワタシはこだわりがあった

普通に売ってない高級ボトル
女の子が多額のお金を払って卸す高級ボトル

ワタシは他店舗とは違う事をした

*ヤフオクで落札する事*

ヤフオクは1分前が勝負だ
ダレかが落札してはワタシが更に高値で落札する

最後に決まった時はまるでギャンブルをしているかのような最高な気分だったのを覚えている


ワタシ「はぁ疲れた……かおる迎えに行こ。」

かおるは託児所に預けてあるのだが
お母さんと伊織さんのお母さんに
「私が仕事の間みるから!」
と、言われている

だけど……

「さぁくら」

振り向くと龍星

ワタシ「龍星?お仕事終わるの早くない?」
龍星「俺今日大学行ってた」

龍星はしつこくしつこく毎日毎日家の前で待っていた

ワタシは最初戸惑っていた
伊織さんに申し訳ないからだ

だけど龍星は諦めなかった

ワタシはとりあえず…という感じで
車の助手席に座る

龍星は嬉しそうだった
龍星もワタシのせいで沢山沢山無くしている

ワタシ「ごめんね…もうこれ以上は……」
龍星「無理だから」
話を被せる龍星

*俺とさくらは共犯者だよ*

そう言われた時は体が震えた

《共犯者》

響きだけは良いだろう?

ワタシはまた龍星から離れられなくなった

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