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25 掲示板

朝5時、ワタシは龍星の声で起きた
とても、揉めている
龍星「だぁかぁら〜いもうとだって!」
ワタシは笑った
いもうと設定になっているらしい
龍星はワタシに気付く
「ミナコ?1度会ってみるか?」
相手の女の子の声が聞こえる
《今、聞きたい!安心したい!》と。
龍星は困っている
ワタシは貸して?と言い
「初めまして!彼女さんですか?」
ミナコ「本当に妹?」
ワタシ「はいっ最近実家から大阪に出てきたばかりで…勘違いさせてしまってたら申し訳ないです」
ミナコは黙る
でも嬉しそうだ
ワタシは兄に代わりますと言い龍星に代わった
龍星「…なっ?ホンマやろ?」
ワタシは胃がチクチクしていた
龍星は電話を切り、櫻ありがとう〜!!
と、抱きついてきた。
振りほどくワタシ
龍星はキョトンとしている
ワタシ「龍星には大阪来てすぐにお世話になったからちょっとした恩返しだからね?
…もう女の子泣かすような色恋的なスカウトやってたらいずれはこうなってたよ?」
龍星は考えていた

龍星「分かった!もうこんな風にならないようにやっていくから」
ワタシは黙る
龍星「櫻ぁ〜お願い。信じて!」

その時、伊織さんから電話が入った
龍星は携帯をスピーカーにした
伊織「おっはよっ!龍星!大丈夫か?櫻ちゃんも!」
伊織さんは相変わらず元気だ
伊織「俺のせいでマジごめん!龍星があんな事するの珍しかったから。」
伊織さんの後ろはガヤガヤしている

伊織「俺のせいやから!とりあえずさ。速攻家出れるか?櫻ちゃんは簡単な荷物持って」
龍星もワタシも?マークだったが伊織さんの言う待ち合わせに行く事になった

二人で家を出る
龍星はグラサンをかけている
途中、女の子2人組とすれ違った
「マジ〜?!決定的瞬間」
私達とのすれ違いざまに写真を撮られた気がする

龍星「やべぇな…早く伊織のとこ行こか」

ワタシは不安だった

伊織さんの家にタクシー捕まえて行く

伊織さんはパンを呑気に食べていた
伊織「食べる?」
ワタシは何だか笑えてきてこの人の存在が心強かった
伊織「さくらちゃんコーヒー飲む?」
ワタシ「あっありがとうございます」
龍星はいつも来ているかのようにソファーに寝転ぶ
伊織
【夜遊び掲示板まだ見てないやろ笑】
…と言った。
夜遊び掲示板とは今でいう水商売やらホストやら色々な事がカキコミされている今でいう ホスラブ?というサイトの事である
ワタシは掲示板に興味が無いのであまり知らなくて申し訳ない
伊織さんはカキコミをコピーしていた
私達に渡す
*何なん?伊織がピンドン5本卸したんやろ?
龍星と連れてきた女に!
*どういう関係?
*龍星と伊織は仲良いから何かあるって
*ってかあの子誰?見た事ある人いる?
*いもうとって聞いたよ
*嘘乙
*いもうとwww
*な訳ないやん
*龍星に騙された
*龍星んとこ切って他のスカウト頼もかな
*はいはーいお待ちかね

そこには今しがたすれ違った女の子から盗撮された写真が載っていた
*昨日帰る時見たんだよね〜
風俗街の近くやったら風俗嬢やんw
*あ〜あそこなん?風俗の寮があるよね
*調べたーい

伊織さんはまだまだあるけど最後ら辺だけピックアップしといた
と、言っていた
ワタシは【掲示板】というものを知らなかったのでショックだった
龍星はワタシの顔色を伺う

龍星「ごめん…俺のせいで巻き込んで…」
泣きそうな龍星

伊織さんは、軽く言った
「櫻ちゃん?ウチ来る?」
ワタシはいやいやと断る
伊織「家、特定されたらきっついよー何されるか分かんないし」
龍星「俺の家泊まらせる」
伊織「櫻ちゃんが何をしに大阪来たのかはまだ聞かないけど仕事場遠いと夜遅くなった時しんどいよ?龍星家遠いし…」
龍星「伊織!マジで櫻に手出さないで!」
伊織さんは笑った
「俺は客達のとこ寝泊まりするからココはさくらちゃんに貸してあげる」
約束事
龍星以外には家を教えない事
何かあったらすぐに電話する事
後は自由に使っていいよ♪
俺も悪いと思ってるし。」

龍星は黙る
ワタシは……よろしくお願いします
と言ってしまった

続く

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