2021.5.1 個性の色

個性は自分で定義するものではないのかもしれない。

個性。
皆違って皆いい。なんてよく言われる。

確かにそうである。十人十色であって、同じ人はそういない。よく笑うあのコンビニの店員、無愛想な先輩、方言がきつい大家さん、勿論皆違う。その中で一体どれだけの“個性”を見出せているだろうか。

今日、ゼミの後輩と話す時間があった。僕と同じ周り道をしてとうとう大学に辿り着いた後輩。よく笑って、すぐ僕を弄って、何でも話してくれる、可愛い後輩。これからの進路と迷い、悩み、恋事情、全部を打ち明けてくれる。

彼との会話で「第一印象」の話になった。
彼は自分で怖い印象を与えてしまうと言った。僕はそう思わなかった。彼は真面目で誠実な印象であった。実際に打ち解けると、ユーモアに溢れ、心優しく、僕と同じでビビりで、頭が良い。皆に愛される、そんな性格。
なんてことを伝えると、少し照れて話を逸らそうと。そういったところが愛されるキャラの所以。

個性は自分で気づくものではないのかもしれない。
それでも、自分で主張するのも個性なのかもしれない。

先日から、体調が中々優れない。
持病のアトピー性皮膚炎の調子が非常に悪い。身体の到るところで炎症が起き、皮膚病と言うのはなかなかに痛々しいし、グロい。赤く腫れた皮膚とかさつく肌、止まらない痒みに最高にストレスを感じていた。何となく気になる目線、いや見てもいないんだろうけど、変に敏感になり痒みが増す。

少し前、大切な人が言った言葉。荒れていても気にしないと。そんな一言。きっと何気ない一言。それが僕をどれだけ救ったか。
何か今日、また一つ吹っ切れた。
この赤くなった皮膚も自分の個性なのかもしれないと。
自分では気づかないかもしれない。
後輩君の優しさや誠実さの様に。それでも、自分では気づかなくとも、自分から定義してやればいいのだと。
腫れた皮膚を隠す生活は辞めた。
自分は自分である。自分だけは自分を裏切らぬように。いつかあの子の優しさの個性を、本人に届けたい。

2021.5.1

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