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「日韓併合」を直接目撃した、イギリス人学者の第一級資料『THE NEW KOREA』 再発見 #3

古い本には奥深い魅力がある。1926年出版『THE NEW KOREA』

今回の編集部ブログは、『THE NEW KOREA』についての3回目です。
イギリスの著名な植民地研究家であるアレン・アイルランドが日韓併合を分析をした、『THE NEW KOREA』(1926年出版)には興味深い点が数多く存在します。ちょっとしたことでも、調べてみると面白いことが判明します。
例えば、巻頭にある著者名、アレン・アイルランド(Alleyne Ireland,F.R.G.S.)に付けている"F.R.G.S."。これはいったい何でしょうか。朝鮮や日本旅行記などを出版した、イザベラ・バード(1831-1904)も『Unbeaten Tracks in Japan(日本奥地紀行)』で、自分の名前に"F.R.G.S."を付けています。
調べると、イギリス王立地理学協会(Royal Geographical Society)の「特別会員」だけが名前の後に付与できた称号でした。この称号は筆者の社会的地位、学術的立場を表わしたものだったようです。女性初の"F.R.G.S."を授与されたのがイザベラ・バードでした。
王立地理学協会は今も存在していますが、特別会員の地位は今と違っていてもっと高かったのではないでしょうか。アレン・アイルランドは約40年間にわたって世界を旅し、その研究成果を発表しました。『THE NEW KOREA』は欧米の植民地と日韓併合(合邦)との違いを比較するものでもあります。『THE NEW KOREA』をさらに深く検証する旅は続きます。