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本日の一曲 vol.108 オネゲル パシフィック231 (Arthur Honegger: Pacific 231, 1923) 鉄道ファンのための。

例に漏れず、音楽家の中にも鉄道ファンはたくさんいます。クラシック音楽の中で最も有名な鉄道の曲は、フランスの作曲家オネゲル(国籍はフランスとスイスの二重国籍だそうです。)の「パシフィック231」だと思います。表題の「パシフィック231」とは、蒸気機関車の車軸位置のことだそうです。1923年に作曲され、スイスの指揮者エルネスト・アンセルメさんに献呈され、翌1924年にセルゲイ・クーセヴィツキーさんの指揮でパリ・オペラ座管弦楽団の演奏で初演されました。

蒸気機関車が軋む音から始まり、ご本人の説明によると「300トンもの重量を持つ蒸気機関車がゆっくりと動き出し、加速してフルスピードになり、また停車する様子を表して」います。YouTubeでは、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団による演奏がありましたので、ご覧ください。

こちらは献呈されたアンセルメさん指揮の録音です。

続いて、同じくフランスの作曲家であるジャック・イベール(Jacques Ibert)さん作曲の交響組曲「パリ(Paris, 1930)」の第1楽章「地下鉄(Le Métro)」です。

イベールさんというと、「寄港地」が一番有名ですが、この交響組曲「パリ」はあまり録音がありません。このシャルル・デュトワさん指揮モントリオール交響楽団による演奏は、同曲の演奏としては珍しく、また、曲自体短いので、通してお聴きになってみてください。

次もフランスの作曲家シャルル・ヴァランタン・アルカンさんの作曲によるピアノ練習曲「鉄道」(Le chemin de fer, Étude pour Piano, Op.27b, 1844)です。これも蒸気機関車が発車して疾走し、停車する様子を描写したものだと思います。

次は、ブラジルの作曲家エイトル・ヴィラ・ロボスさん作曲のブラジル風バッハ第2番(1933)第4楽章トッカータ「カイピラの小さな汽車」です。これも汽車が発車して走り出し、停車するまでの音楽です。noteでも黒鳥ジャーナルさんが紹介していました。

そして、鉄道といえばアントン・ドヴォルザークさんですね!

若いオーケストラ「東京ジュニアオーケストラソサイエティ」の演奏で、交響曲第9番(1893)第4楽章です。この楽章の序奏部はまさに機関車が走り出す様子ですね!

最後に、ヨハン・シュトラウス(2世)さん作曲の「観光列車」(1864)です。

この観光列車には、ドミトリ・ショスタコーヴィチさん編曲版(1938)というバージョンもありますので、こちらもどうぞ。

(by R)


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