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本日の一曲 20世紀第4四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1976年~2000年の音楽をまとめました。
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2023年11月の記事一覧

本日の一曲 vol.111 エイナウディ 波 (Ludovico Einaudi: Le Onde, 1996)

ルドヴィコ・エイナウディさんというイタリアの作曲家のことはご存知でしょうか?ルドヴィコさんは、1955年、イタリアのトリノに生まれた作曲家で、現在、イタリア政府の音楽大使を務めているそうです。 ルドヴィコさんが、1996年に発表した初のソロ・ピアノ・アルバムが「Le onde / The Waves」です。これをオランダのピアニストであるイェロン・ファン・ヴィーンさんが演奏して、オランダのブリリアント・レーベルからYouTubeの動画で公開されています。 いかがでしょうか

本日の一曲 vol.109 泉谷しげる 翼なき野郎ども (1978)

どちらかというと、泉谷さんは、テレビによくご出演されていますので、タレントと思われているかも知れませんが、泉谷しげるさんはロックの人です。 泉谷しげるさんの「翼なき野郎ども」は、1978年にリリースされた「'80のバラッド」に収録された曲で、1980年公開の映画で、泉谷さんが美術を担当した「狂い咲きサンダーロード」のエンディングでも使用されてた曲です。 ただ、泉谷さんの作品も全部サブスクで聴くことができず、サブスクで聴けるのは、1988年にリリースされた「IZUMIYA

本日の一曲 vol.106 ジェフ・ベック スリング・ショット (Jeff Beck: Sling Shot, 1989)

はじめに本日ご紹介する「スリング・ショット」は、ジェフ・ベックさんの1989年リリースのアルバム「ギター・ショップ(Jeff Beck's Guitar Shop)」の中のラストを飾る曲です。 ジェフさんは、1944年6月24日に生まれ、今年の1月10日に78歳で突然亡くなってしまいました。ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な250人のギタリスト(The 250 Greatest Guitarists of All Time)」でも5位のギタリストです。ちなみに4位は

本日の一曲 vol.104 シド・ヴィシャス マイ・ウェイ (Sid Vicious: My Way, 1978)

セックス・ピストルズは、1977年10月にロック史上屈指の名盤「勝手にしやがれ!(Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)」をリリースし、翌年1月のアメリカ・ツアーでヴォーカルのジョン・ライドン(John Lydon、ピストルズ時代はジョニー・ロットン、Johnny Rotten)さんが脱退してしまい、バンドは崩壊。その後、ピストルズの仕掛け人と言われたマルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)さんが映画「

本日の一曲 vol.100 ヒリヤード・アンサンブル ペロタン (The Hilliard Ensemble: Perotin, 1989)

ヒリヤード・アンサンブルは、1973年から2014年までの約40年間活動したイギリスの男声アンサンブルで、主に中世音楽やルネサンス音楽を歌っていました。 本日ご紹介する「ペロタン(Pérotin)」とは、12~13世紀(日本でいうと鎌倉時代です)のたぶんフランスの作曲家で、ラテン語では「ペロティヌス(Perotinus)」と呼ばれています。音楽史的には、「ノートルダム楽派」の「ポリフォニー音楽」ということになっています。「ノートルダム楽派」とは、パリのノートルダム大聖堂で活

本日の一曲 vol.98 アース・ウィンド・アンド・ファイヤー セプテンバー (Earth, Wind & Fire: September, 1978)

アース・ウィンド・アンド・ファイヤーは、1970年にモーリス・ホワイト(Maurice White)さんが結成したバンドで、主に1970年代と1980年代に活動していたバンドです。バンド形態としてはホーン・セクションを加え、モーリスさんとフィリップ・ベイリー(Philip Bailey)さんのツイン・ヴォーカルが特色のバンドでした。 バンドの形態はともかく、ミュージック・ビデオをご覧になればおわかりになると思いますが、「いったいどこの人?」という極めて強烈な印象を残すバンド

本日の一曲 vol.95 松田優作 灰色の街 (1981)

松田優作さんは、1949年に生まれ、1989年に50歳で亡くなるまで、1970年代と1980年代を駆け抜けた俳優でした。また、俳優だけでなく、バンドもヴォーカリストとして熱心に活動しており、その歌は一流のブルース・シンガーでした。 優作さんが主演の映画で、ブルース・シンガー兼探偵の役を演じた「ヨコハマBJブルース」という映画があり、その映画では、竹田和夫さんのクリエイションとともにバンドでブルースを歌っていました。 「灰色の街」(松田優作さん作詞、李世福さん作曲)はアルバ

本日の一曲 vol.94 ニュー・オーダー ブルー・マンデー (New Order: Blue Monday, 1983)

ニュー・オーダーの前身は、1976年に結成されたジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)ですが、1980年にヴォーカルのイアン・カーティス(Ian Curtis)さんが亡くなってしまったため、残されたメンバーで再出発したバンドがニュー・オーダーです。 本日ご紹介するブルー・マンデーは、イアンさんが亡くなったことをメンバーが知った月曜日のことを歌っているようです。ジョイ・ディヴィジョンは、どちらかというと鬱屈した音楽が多く、ブルー・マンデーもそんな内容なのですが、大

本日の一曲 vol.93 暗黒大陸じゃがたら クニナマシェ (1982)

もう40年ほど前のことですが、江戸アケミさんという人が「暗黒大陸じゃがたら」というバンドでファンク・ミュージックをやっていました。バンドのライブは激しかったので、そちらの方で有名になったところもありました。 しかし、「暗黒大陸じゃがたら」は、音楽的には、ゴリゴリのファンク(あるいはアフロ)であり、ひときわ輝いていたバンドでした。 江戸アケミさんは、1953年高知県生まれ、明治大学文学部を卒業してバンド活動をしていた方ですが、1990年に36歳の若さで亡くなってしまいました

本日の一曲 vol.91 松任谷由実 埠頭を渡る風 (1978. cf. Stevie Wonder)

松任谷由実さんについての酒井順子さんの本を楽しく読みました。 松任谷由実さんは1954年生まれ、酒井さんは1966年生まれということなので、ちょうど一回り年が違って、お二人とも干支は午なんですね。ちなみに1966年はひのえになりますね。またお二人とも中学校、高校は同窓のようです。 松任谷由実さんの曲からどれか一曲をご紹介しようと思い、「流線形'80」(1978)に収録された「埠頭を渡る風」にしました。 この曲のリズムパターンは特徴があると思いますが、スティービー・ワンダ

本日の一曲 vol.89 レイ・チャールズ コンペアド・トゥ・ホワット (Ray Charles: Compared To What, 1980)

レイ・チャールズさんは、アメリカのジョージア州出身の歌手で、1960年にリリースされたレイさんの代名詞ともいうべきカバー曲「わが心のジョージア」や、日本では特に「エリー・マイ・ラブ(いとしのエリー)」、和田アキ子さんと親しいことなどで有名かと思います。 レイさんは、そのソウルフルな歌声で「ザ・ジーニアス(The Genius, 天賦の才)」と呼ばれたりしますが、最大限の親しみを込めて「ブラザー・レイ(Brother Ray)」とも呼ばれています。本日は、レイさんの1980年