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本日の一曲 vol.106 ジェフ・ベック スリング・ショット (Jeff Beck: Sling Shot, 1989)


はじめに

本日ご紹介する「スリング・ショット」は、ジェフ・ベックさんの1989年リリースのアルバム「ギター・ショップ(Jeff Beck's Guitar Shop)」の中のラストを飾る曲です。

ジェフさんは、1944年6月24日に生まれ、今年の1月10日に78歳で突然亡くなってしまいました。ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な250人のギタリスト(The 250 Greatest Guitarists of All Time)」でも5位のギタリストです。ちなみに4位はエドワード・ヴァン・ヘイレン((Edward Van Halen)さん、3位ジミー・ペイジ(Jimmy Page)さん、2位チャック・ベリー(Chuck Berry)さん、1位ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)さんです!

ジェフさんのキャリアは、ヤードバーズ(Yardbirds)から始まったと言っていいでしょう。その後、ジェフさんがリーダーの名前として出ているヴォーカル付きのバンド、ジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)、ベック・ボガート・アンド・アピス(Beck Bogart & Appice)を経て、インストゥルメンタルのフュージョン時代に入ります。これがジェフさんの1970年代までの活動です。

1980年代の活動

1980年代以降は、数年に1枚のアルバムがリリースされるというペースになりますが、「ギター・ショップ」は、1985年にリリースされた「フラッシュ(Flash)」の次のアルバムになります。

「フラッシュ」は、いわゆる「ディスコ」バンドのシック(Chic)のギタリストのナイル・ロジャース(Nile Rodgers)さんとコンビを組んだアルバムでした。当時、ナイル・ロジャースさんはプロデューサーとしても売れっ子でした。

その後、1989年に「ギター・ショップ」がリリースされます。このアルバムは、ドラマーのテリー・ボジオ(Terry Bozzio)さん、キーボードのトニー・ハイマス(Tony Hymas)のトリオで演奏したインストゥルメンタル・アルバムです。

トニー・ハイマスさんは、アルバム「ゼア・アンド・バック(There And Back, 1980)」以降一緒に活動しており、前作「フラッシュ」にも参加していました。

一方、テリー・ボジオさんは、フランク・ザッパ(Frank Zappa)・スクールの出身ですが、「ギター・ショップ」に参加する前のキャリアは、ミッシング・パーソンズ(Missing Persons, 1980-1986)で、ジェフさんとプレイすることになったきっかけは、ミック・ジャガー(Mick Jaggar)さんの「スローアウェイ(Throwaway, 1987)」のビデオでした。

「ギター・ショップ」

本日ご紹介する「スリング・ショット」は、テリー・ボジオさんのYouTubeチャンネルに公開されていたもので、テレビ・ライブのもののようです。

「ギター・ショップ」は1990年のグラミー賞を受賞しました(ベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス)。

ギターのピッキング

ところで、今回ご紹介した「スリング・ショット」の動画は、テリー・ボジオさんの「ノリノリ」のドラムもさることながら、ジェフさんがギターをピックで弾いているところが見どころです。

エレキ・ギターの弦は「鋼」でできていますので、普通はプラスチック製のピックで弾きます(クイーンのブライアン・メイさんの硬貨など例外はあります)。

生身の指で激しく弾いたりすると血だらけになってしまったりするわけです(ウィルコ・ジョンソンさんなど)。

しかし、豊かな表現ができるということで、エレキ・ギターでも指弾きを選択するギタリストもいて、ジェフさんも1980年代からもっぱら指弾きに移行したと言われています。この1989年の動画ではジェフさんがピックで弾いているのです。

(by R)


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