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本日の一曲 20世紀前半のクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1901年~1950年のクラシック音楽をまとめました。
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2024年6月の記事一覧

本日の一曲 vol.307 ラヴェル ステファン・マラルメの3つの詩 (Maurice Ravel: 3 Poèmes de Stéphane Mallarmé, 1913)

1913年という年は、ラヴェルさんは、イーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stravinskyh)さんとモデスト・ムソルグスキー(Modest Mussorgsky)さんのオペラ「ホヴァーンシチナ(Khovanshchina)」の編曲作業をしながら、1913年5月29日に行われたストラヴィンスキーさんの「春の祭典」の初演に付き合っていた年でした。 この間、ラヴェルさんは、ストラヴィンスキーさんから「3つの日本の抒情詩」を聞かされました。 ラヴェルさんは、この「日本の3

本日の一曲 vol.306 ストラヴィンスキー 日本の3つの抒情詩 (Igor Stravinsky: 3 Poésies de la lyrique japonaise, 1913)

イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)さんは、1910年、バレエ・リュスを率いるセルゲイ・ディアギレフ(Sergei Diaghilev, 1872-1929)さんの依頼を受けて、「火の鳥(L'Oiseau de feu)」を提供し、1911年には「ペトルーシュカ(Pétrouchka)」も提供して、若手劇場作曲家として有名になっていました。 当時のパリでは、日本趣味が流行しており、ストラヴィンスキーさんも、自宅の壁を日本の版画で飾り、日本の詩を読んだりしたそう

本日の一曲 vol.305 シェーンベルク 月に憑かれたピエロ (Arnold Schönberg: Pierrot lunaire Op.21, 1921)

「月に憑かれたピエロ」(通称月憑かピー)は、ベルギーの象徴派詩人であるアルベール・ジロー(Albert Giraud)さんが1884年に発表したフランス語の詩集「月に憑かれたピエロ(Pierrot lunaire)」をオットー・エーリヒ・ハルトレーベン(Otto Erich Hartleben)さんがドイツ語に翻訳したものを題材として、オーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクさんが曲をつけたものです。 正式な題名は、「アルベール・ジローの『月に憑かれたピエロ(ドイツ語