CXO Night#3 レポート 「LT」編
2018.6.15(金)に開催されたCXO Night#3 - デザインを越境せよのレポート(2/3)です。本記事では、2本のLTについて触れます。
イベントはパネルディスカッションが2つ、LTが2つの以下のような構成でした。
1. オープニング
2. 【パネルディスカッション】若手社長デザイナートーク
3. 【LT】デザイナーをリデザインする
4. 【LT】メディア編集とデザイン
5. 【パネルディスカッション】デザインを越境せよ
6. 懇親会
(展開が早く、スライドの写真をなかなか撮れなかった。。スライド公開してくれないかなぁ。)
前半のパネルディスカッションのレポートはこちら。
企業とデザイナーのミスマッチを防ぐ、デザイナー向けキャリア支援サービス「ReDesigner」
登壇者(敬称略)
佐宗 純 / Goodpatch キャリアデザイナー(@Junsus4D)
Goodpatchさんの最近リリースしたデザイナーキャリア支援サービス「ReDesigner」についてのLTです。タイトルは「デザイナーをリデザインする」
■「デザイナーをリデザインする」
「14%」
デザインの文脈でこの数字は何を示していると思いますか?
Fortune 100(アメリカにおける「働きがいのある会社ランキング」)の企業で、デザインエグゼクティブを設置している割合です。
ちなみにユニコーン企業ではこの数値は21%になり、日本ではこのような数字はまだ出ていません。
■ デザインエグゼクティブに求められるものはなにか?
日本のデザインエグゼクティブといえば、日産の中村史郎さんが有名です。
日産の社長に就任したカルロス・ゴーンは来日してまず、いすず自動車デザイナーであった中村さんを引き抜き、デザインエグゼクティブにしたそうです。
カルロス・ゴーンはデザイナーのトップに必要なものは次の2つだと言いました。
アントレナーシップとリーダーシップです。
デザイナーのスキルはどんどん多様になっていき、どこまで手を動かして、どこまで組織デザインをしていくのかは難しい問題になってきています。
■ 企業とデザイナー間の採用におけるミスマッチ
経産省による「デザイン経営宣言」が最近発表されましたね。
その目指す方向性をみて、ReDesignerと近いと思ったところがいくつかありました。
特に、どんなキャリア、どんなスキルセットの人を採用・育成していくのかは企業にとって難しい。
そして世の中一般的にみると、デザイン=ビジュアルの美しさ、という錯誤がまだまだあります。そのため、デザイナーと企業間でミスマッチが起きることが往々にして発生します。例えば、UXデザイナーとして入社したのにリサーチを全くやらせてもらえなかったり。
そこで、デザイナーがパフォーマンスを発揮できる企業に入社できるように、ReDesignerをリリースしました。
リリース反響も大きく、Twitterでは「デザイナー特化型キャリア支援サービス」というゴツい言葉がトレンドに入って面白かった。
■ ReDesignerの役割と工夫
ReDesignerはデザイナーに特化したエージェントです。
デザイナーと企業の間に入って翻訳者になることで、求めている企業のスキルとデザイナーのスキルのミスマッチを防ぎます。
企業に対して、デザイナーのいる組織設計や採用育成などのコンサルも行なっています。
企業の求人票そのものもデザインし直し、独自に作っています。どういったデザインチームの中で、どういったプロダクトオーナーと一緒に、どういった立ち位置で仕事をする‥などを企業にヒアリングして作っています。
■ デザイナーのロールモデルの策定とキャリア支援
デザインのバックグラウンドを持つ人間のキャリアの方向性として、組織デザインの方向性と、スペシャリスト側とが考えられますが、スペシャリスト側はまだまだ企業内に整備されていません。
そこで、デザイナーに求められている要素とそれに対応する肩書きを整理してみました。
このくらいの肩書きなら、こういうスキルが求められる!というものを定義しています。
また、デザイナーに特化したオンラインアンケートも作っています。
5年後、デザイナーとしてのどういうキャリアを歩みたいか、のようなことが書いてあります。このアンケートは、1ヶ月半くらいユーザーリサーチして発散・収束させて完成しました。
こういったアンケートをもとに、デザイナーのキャリア支援を行なっています。お陰様で、リリースしてから毎日デザイナーと面接しています。
■ 終わりに
ReDesignerのゴールは転職回数を上げることではありません。
デザイナーの立場を上げ、最終的にはこういうデザイナーのコミュニティを利用して、デザインの概念を変えていきたいと思っています。
SNSの可能性を探求するメディアkakeruの立上げ理由と、Studio Optの設立
登壇者(敬称略)
三川 夏代 / 株式会社オプト kakeru編集長(@nach33)
三川さんは主に企業のSNSのコンサルタントをしており、マスと連動してなんかやりたいんだけど!みたいな企業を支援しているそうです。
SNSの情報に特化したwebメディアkakeruをなぜ立ち上げたのか、なぜStudio Opt(@StudioOpt)が生まれたのかについてのお話でした。
タイトルは「メディア編集とデザイン」。
■ メディア編集とデザイン
今日伝えたいことはこちら。
ゆるほ!Studio Optとkakeruを一緒に育ててくれる人!
■ kakeruとは?
Kakeruは2015年5月に立ち上げたSNSの情報に特化したwebメディアです。主な読み手は、企業のSNS担当者や媒体社です。
立ち上げの背景には次の3つの理由がありました。
・自社ブランディングのため
・女子高校生などの若い人のインサイトを企業にインプットすること
・SNS市場における「ねじれ」を解消したい
■ オプトのSNSコンサルタントのブランディング
「オプトのSNSコンサルタント」というとパッと思いつかないと思いますが、個人をみるとなかなか強い人が揃っています。
例えば、えとみほ(@etomiho)、しみなお(@shiminao)、石井リナ(@rina_ishii_99)、鵜ノ澤直美(@unonao_kakeru)などなど‥
みんなSNSが大好きなことに加えて、強い趣味・興味があることが特徴です。
その「好き」と「仕事(SNS)」を繋げて、「好き」をSNSで発信することがSNSコンサルタントの仕事になります。
企業は記事を通して彼女たちのSNSでの影響力を見て、スマホの使い方、撮影テクニックを教えてほしいとイベントに呼んだりします。最近ではTwitter JAPANと動画を作りました。
オプトと仕事をしたいというよりは、この人と仕事をしたいというモチベーションだと思います。
このSNSでのマーケティングを題材に、本も4冊出しています。
■ 生活者のSNSインサイトをインプット
kakeruでは、自分の足で街に繰り出して情報を集めて記事にすることもしています。
話題の人に直接取材を申し込んで記事にしたり、なぜそういうことをしたのか?
ということを紐解く内容になっています。
なかなか企業の思う若者の考え方と、実際の若者が思う考え方の間には差があります。そこを、直接聞きに行き、記事にして企業の人に読んでもらうことで、その差を埋めようとしています。
■ SNS市場における「ねじれ」を解消
企業と接する中で、顕著になった課題へのアンサーを記事にして発信しています。
インフルエンサーってこういうのでしょ?っていう企業の思い込みを、生活者の「実態」を発信することでときたいと思ってます。
そして、大好きなSNS市場を健全なものにしたいと考えています!
■ kakeru編集部の仕事
kakeru編集部には、SNSコンサルタントが所属しています。そして本業で得た知識や足で稼いだ情報を記事にした、完全オリジナルのコンテンツを発信します。
また、メディアのコンテンツ制作以外に、
・デザイナー向けに、自分から企業に発信するためのポートフォリオサービス
・クリエイター同士(エンジニアとデザイナーなど)のマッチングサービス
・クリエイターのマーケティングスキル支援
なども行なっています。
■ 何故Studio Optが生まれたのか
しかし、kakeruらしさをデザインで表現できる人がまだまだ少ない状態です。
読みやすさ、読む楽しさ、kakeruらしさを追求したいが、opt内だと違う部署にデザイナーがいるので連携しづらく、外部の人に依頼しようにも繋がりがない。。
それで誕生したのがStudio Optです。
スキル特化人材がであうルイーダの酒場のような場所を目指し、雇用ステータス関係なく個人が互いを高め合えるスタジオにしたいと思っています。
ここで、kakeruの編集部が、会社の中だけでなく外の人にも、デザイン業務をプロジェクト単位でアサインできるような状態を目指していきたい、と考えています。
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スライド等、画像をお借りしています。
何かありましたら、ご連絡ください。
次はパネルディスカッション「デザインを越境せよ」です。
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