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日本人は井の中の蛙

ロシアは、本当に悪い国なのか?

【ロシアからデクラスが始まる】

昨年2月にウクライナの内戦にロシアが軍事介入を始めてから、情報戦ではロシアは完全に負けていた。負けていたというよりも、まったく何もしていなかった。「そんなことはロシアにとってはどうでもいいのです」とアメリカの軍事専門家のスコット・リッターは言っていた。オリバー・ストーンのインタビューで、ロシア大統領のプーチンは、「アメリカの嘘にはもう慣れたよ」と例のおっとりした口調で言っていたけれど、ロシアにとっては、西側メディアがロシアについて嘘をつきまくるのは、いつものことだったのだ。チェチェン紛争でも、シリア内戦でも、クリミア紛争でも、ロシアが軍を出すと、西側メディアはロシアが悪者になるような報道の仕方しかしなかった。だから、ウクライナへの軍事介入のことで、西側メディアがまったくの嘘を報道し始めたのも、別に新しいことでも何でもなかったのだろう。

それが、昨年の8月頃から、様子が変わってきた。ロシアの政治家たちの発言に、西側に対する遠慮がなくなっていると、ロシア在住のドイツ人ジャーナリスト、トーマス・レーパーが言っていた。ヨーロッパの政治家は、ワシントンの指示通りに動いているだけなのだから、話をしても意味がないと言い、西側諸国を「アメリカの属国」と呼び始めていた。

そういう言い方は、ロシアはそれまでしてこなかった。それは、ヨーロッパ諸国と主権国同士として話し合えるという希望を持っていたからでもあるし、ロシアは他の国の内政には干渉しないという方針を貫いていたからだった。それが、昨年8月頃から変わってきた。ロシアの政治家たちが、徐々に西側諸国の支配構造の闇を暴露し始めたのだ。

その背景には、ロシアが西側以外の国々の間で支持を集め始めていたということがある。昨年4月頃に、「一極支配は崩壊し、多極化の世界が生まれた」とラブロフ外相が言っていたけれど、それからロシアは、アメリカの一極支配の構造を解体し続けていたのだ。ロシアがというより、西側諸国が、何とかロシアを弱体化しようとして、あの手この手で攻撃すると、それが結果的に一極支配構造を崩壊させるようなことになっていた。

世界中のほとんどの国は、多かれ少なかれアメリカ裏政府にさまざまな脅しをかけられていて、ウクライナの戦争のことでも、公にロシアを支持することはできないでいた。だけど、それが少しずつ変わっていったのだ。多くの国は、表向きはロシアを批判しつつ、経済制裁には協力しないで、ロシアと取引をし続けていた。しかし、昨年8月頃から、ロシアは公に西側のシステムを批判し始めていた。それは、その頃すでに十分に多極化が進んでいたということなのだろう。

この頃、外務大臣報道官のマリア・ザハロワは、トーマス・レーパーとのインタビューで、ウクライナとヨーロッパが関わっている幼児売買のことまで語っていた。これについてはトーマス・レーパーも知らなかったらしく、懐疑的だった彼に、マリア・ザハロワは根拠になる資料をあとで送ってきたそうだ。先日の記者会見でも、マリア・ザハロワは、ウクライナで公然と行われている臓器売買や幼児売買のことについて話していた。ウクライナ軍が退却する際に、その地域の子どもたちを連行していっているというのだ。親も子どもたちがどこにいるのかわからない。そうしたケースは一件や二件ではなく、いたるところで聞くような話だという。そうした子どもたちは、ヨーロッパに運ばれて売買されているらしく、ドイツで発見されたりもしているそうだ。公式の記者会見では、彼女は、ウクライナで法律が改正されて、臓器提供について本人や遺族の承認なしに主任医師が決めることができるようになったという話をしていた。これで事実上、臓器売買が公然とできるような状態になったわけで、事実、巨額の闇のお金が動く闇市場がウクライナにできているのだという。

こうした情報は、西側諸国では陰謀論扱いされていて、まともな人間が信じるべきことではないかのように思い込まされている。あるいは、ロシアのプロパガンダだと言われている。陰謀論という言葉は、まさに真実から人々の意識を逸らすために作られた言葉なのだ。ちょっと調べてみたら、いくらでも証拠が出てくるようなことでも、そういうことを考えるべきではないと思い込まされ、意識を向けないように仕向けられている。

それが今や、ロシアの外務省が公にしているのだ。こうしたことは、西側主流メディアでは絶対に報道されないだろうけれど、西側以外の国では、トップ記事になっていたりするらしい。西側主流メディアが作り出している虚構の世界の外では、もはや秘密でも何でもなく、誰でも知っているようなことになりつつある。

アメリカの外交を支配しているのは、政府ではなくて、シンクタンクのランド研究所なのだということを、トーマス・レーパーは言っていた。ランド研究所の報告は、ネットで公開されていて、誰でも見ることができる。軍事的な政策の提言を行っているのだけれど、そのほとんどが実行に移されているそうだ。ランド研究所に出資しているのは、軍事産業やロックフェラー財団などだ。第二次世界大戦後、アメリカは世界中で戦争をし続けてきたわけなのだけれど、それはすべてランド研究所を通して、このオリガルヒたちが決めていたことだった。

戦後の東西冷戦というのも、実のところランド研究所の提言によって、世界中を軍備競争に駆り立てるために捏造された話だったのだ。ロシアや中国が共産国だから脅威だという話をでっち上げて、周囲の国々にアメリカと軍事協定を結ばせ、米軍を配備させ、武器を買わせていたわけだ。それで、ロシアや中国はアメリカの軍事同盟に対抗できるように軍備に投資しなければならなくなり、経済的に疲弊させることができるということだった。そのために、アメリカ中央情報局(CIA)は、ソ連や中国の政府が反政府派や少数民族を弾圧しているというような話を捏造する政府機関を作って、反政府運動を組織し、お金を出して反対運動を起こさせたり、武装させてテロ組織化させたりもしていたのだ。

アメリカ政府は、軍事同盟を結ばせた国々を、事実上、属国支配していた。アメリカ政府の言うなりにならない国は、反政府組織を作られて、テロを起こされたりする。それで、政府が軍隊や警察隊を出動させてテロを鎮圧しようとしたら、民主化運動を弾圧する独裁国家だということにされ、経済制裁をかけられたり、NATOに首都を空爆されたりすることになる。

アメリカのオリガルヒたちが世界を支配しているさまを、「学校で番を張っている不良グループのようなもの」だと、トーマス・レーパーは昨年8月頃に書いていた。逆らうと恐喝されたり暴力ふるわれたりするので、皆黙って従っているけれど、それに対抗できる人物が現れると、少しずつ味方につく人が増えていく。それは次第に加速していって、あるとき学校を支配していた不良グループは、自分たちが少数派になってしまっていて、もはや支配できなくなっていることに気づく。昨年2月にロシアがウクライナの内戦に軍事介入を始めたとき、それが起こり始めて、昨年8月頃には、すでにアメリカのオリガルヒ支配に対抗して反撃に出られるほどになってきていたということなのだ。

プーチン政権もまた世界統一支配に向かうオリガルヒの仲間なんじゃないかという話があって、あの頃はまだどちらなのか定かでない感もあった。しかし、自然界でも、一つの生き物が異常繁殖して全体のバランスを壊していたら、必ずそれを喰う生き物が殖えてきて、再びバランスが取れるようになっている。これがつまり免疫反応というもので、これは微生物レベルから生態系全体まで、あらゆるレベルで機能している自然法則なのだ。

同じ原理は、当然人間社会にも作用する。いくら巧妙なやり方で脅したり騙したりしていても、必ずそれに対する抗体のようなものができてくる。つまり、返し技を心得る人間が現れて、増えてくるということになる。そうした力が働かないと考える方が、私には不自然だと思えるし、あれから一年近くが経った今、世界を支配していたアメリカのオリガルヒたちが、多くの国でもはや支配力を持っていないことが見えてきている。米ドルから離れようとする国が次々と出ているし、公然とロシアを支持する国が増えている。

6月14日からサンクトペテルブルクで国際経済フォーラムが開催されていて、参加国は120カ国以上に昇り、そこで交わされた経済取引は何十億ルーブルになるということだった。プーチン大統領は、このフォーラムで17日にスピーチを行い、記者会見を行った。ジャーナリストたちの質問に答えて、彼は西側諸国の政治の腐敗ぶりについても公然と語っていた。プーチンは、他の国の内政についてはこれまで口にしてこなかったから、これも新しい展開だった。

西側諸国の政治家についてどう思うかと聞かれて、プーチンはかつてのフランス大統領ジャック・シラクと交わした会話のことを語った。アメリカの政治家たちは、どうしてあんなに攻撃的で近視眼的なのだろう、と言うと、シラクは「それは彼らが教養が低いからだよ」と答えたそうだ。そして、「西側諸国では、ろくな高等教育も受けていない人物が政治家になるという特殊なシステムがある」とプーチンは言っていた。

当時のアメリカ大統領は、ブッシュ・ジュニアだった。彼はアルコール依存症で、公に語るときには、プロンプターの文字を読んでいるだけだというのは有名な話だった。ブッシュ・ジュニアが大統領になったのも、明らかに選挙の不正操作によるものだったし、大統領に就任するや、911が起き、アフガン侵攻、イラク戦争とアメリカの偽旗戦争が始まったのだ。その流れは、バイデンが大統領になったなりゆきとも実によく似ている。今、西側諸国の首脳を勤めているのは、ほとんどが「若くして抜擢された」ヤンググローバルリーダーたちであり、彼らはろくな学歴も経歴もなく、ブッシュ・ジュニアと同様、言われた通りのことを言うことができるだけのマリオネットたちだ。そのことをプーチンは、「西側諸国では、ろくな高等教育も受けていない人物が政治家になるという特殊なシステムがある」と言っていたのだ。

まさにそれこそは、西側諸国が支配されている闇の構造なのだけれど、それがもはや世界中で秘密ではなくなりつつある。ダヴォスの世界経済フォーラム以上の参加国が集まった場所で、そうしたやり取りが公然となされていたのだ。西側諸国の主流メディアが、ロシアは独裁的で危険な国だという虚構を作り出し続けている一方で、その外の世界では、独裁的で危険なのはアメリカとその属国である西側諸国の方だということが知れ渡っていっている。闇の支配構造が見えてくるごとに、いったいいつになったらこの虚偽が公になって、裁かれるときが来るのかと世界中の多くの人が思っていたけれど、それが今、ロシアから始まっているのだ。西側のオリガルヒたちは、何とか支配力を保とうとして、おかしな裁判を起こしたり、おかしな言いがかりをつけたりしているけれど、そんなことをすればするほど、その腐敗の姿があらわになっていっている状態だと思う。

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画像は、サンクトペテルブルクの国際経済フォーラムでスピーチするプーチン大統領

日本のメディアの情報だけを見ていたら、ロシアは悪としか思えないけれど、世界はそんなに単純に今の国際情勢を見ていないということがわかる。

ロシアは、国際経済フォーラムに120カ国も集められるような国。
ただの悪に120カ国も集まるとしたら、もはやどちらが悪なのかわからない。

日本のメディアは、西側諸国のニュースを海外ニュースとして流しているだけなので、メディアの情報を追うだけでは、その西側諸国の外で何が起きているのかを知ることはできない。

知らない間に、私たちは偏った世界を見せられ、それを信じ込むようにと誘導されている。

ロシアが悪で、ウクライナが正しいという単純構造を信じているのは、今や世界では少数派の我らが西側諸国「アメリカの属国」だけなのだということ。

世界は広い、私たち日本人にももっと広い視点が必要なのかもしれない。




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日本が100年後も1000年後も、幸せな國であり続けますように


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