イメージで診断しイメージを変える 「オーラ」を出す役割 漢方診療日記51

漢方の診断はイメージで行うことが西洋医学と比べて多い。例えば、「女性で更年期障害でストレスが溜まっている」とうイメージがあると加味逍遥散が効くというような具合だ。そこには、「上の血圧が160以上もあるから薬を出しましょう」などという検査数値を判断材料にする過程はない。漢方にあるのはイメージだ。だから漢方を人に伝えるのも難しい。
これは大きな問題を含んでいる。イメージなので人に伝えることが難しいのだ。西洋医学では病気には診断基準というものがある。もちろんこれは文字で書ける。
しかしイメージを文字で表現するのは限界がある。さらに絵でイメージを伝えても全部は伝わらない。実際、絵が満載の漢方の教科書が実在する。言葉より解り易いからだろう。イメージが中心となる漢方は一見すると原始的だ。漢方が非科学的だと言われる所以の一つでもある。
ただ実際、漢方は効果があり、また漢方で治して欲しいとの希望が多い為、現在ほぼ9割の開業医で漢方薬が処方されている。
漢方薬はイメージで診断され処方されると書いたが、その効果の一つに「イメージを良くする」効果があるのだ。
患者さんの一部で現代医学的な病気ではないにも関わらず漢方を飲み続けている人達がいる。飲まなければ何か困る症状が出る訳ではないが年単位で通っている。職業で言えば俳優、モデル、政治家 弁護士といった職業だ。彼らはいつも人から見られている。ビデオを撮られたり写真を撮影されたり他人から動きを観察される人たちだ。
漢方薬は気を巡らせて気力を増す力がある。病名がつかなくても元気がある人と何となく元気がない人がいる。それは誰でもはっきり分からなくても何となく感じてしまう。人は他人を観て「元気そうだな」と自然に感じる力を持っているのだ。見られる立場の人達は元気なイメージを上げる為にみんな努力を続けている。イメージを良くする現代医学の薬は存在しないのだ。現代医学では「元気そうでない」は病気ではないとされるからだ。
そんな時に漢方薬が使われるのだ。モデルさんに聞いたことがあるが、写真に写る一瞬にオーラを出すそうだ。私も直接会うモデルさんより写真に写る同じ人の方が美しく写っていることが多い印象を持っている。漢方を飲むとそのオーラを出しやすくなるそうだ。気を巡らすことは漢方薬の重要な役目なのだ。

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