ガザとイスラエルの一日も早い停戦を望みます ~イスラエル・パレスチナに住む子どもたちの未来に~
2020年、2021年と上演してきたハイパー能「投石」を2年ぶりに再演いたします。
この物語は、イスラエルの少年が「エラの丘」という遺跡で、パレスチナの少年と出会います。しかし、パレスチナの少年が亡霊であることに、イスラエルの少年も、そしてパレスチナの少年自身でさえわからずに、仲良しになって遊びます。
私はイスラエルに留学して、パレスチナで合気道を教えていました。イスラエル、またはパレスチナに行けば、たとえばエルサレムの旧市街を歩いて5分もしないところに、パレスチナ人、またはイスラエル人がいるのに、彼らのほとんどは一生、知り合いにもならず、ましてや友とはなりません。特にイスラエル人はパレスチナ人の場所に出向けば危険だと出向くことはなく、一生パレスチナ人がどんな人々であるかを知ることもないでしょう。その状況下ならば、「パレスチナ人は教養がない、道徳に欠ける、暴力的だ」と「与えられた」情報や教育で、生涯、想像の範囲内で「パレスチナ人はこんな奴らだ」と思い続けて生きてゆくでしょう。
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もしあなたが子どもで、砂場でひとりで遊んでいると、そこに一緒に遊んでくれる子どもが来ます。あなたは自分と一緒に遊んでくれる友だちが突然あらわれて、どんなにうれしいことでしょう。人種も国籍も年齢もその子の名前さえ聞くこともなく、一心不乱に遊び、その日を楽しく過ごせたことをうれしく思うでしょう。ひとりぼっちよりもそばに来て遊んでくれる子いた。そう、もうその子はあなたと友だちとなり、「明日もまたここで遊ぼうね」と約束をして帰るでしょう。
そんな子どもの時代をどんどん忘れていくことが社会的な人間になることなのかもしれません。それでも、あの子ども時代のよろこびを思い出せば、それは私の宝と、名前も思い出せない友だちに感謝するでしょう。この物語は、夢の中で友だちとなった少年が、国家間、政治的背景の中で、現実には憎しみ合わなければならない将来に嘆き悲しみ、現実では会わないでおこうね、と約束をして別れます。
しかし現実で、子どもたちが、大人の理由で妨害されることなく、どんな子どもたちとも友だちとなれる現実を作る責任が、大人にはある。それが平和への一歩であるのだから、私たちは絶望せず、たゆまず努力してゆきましょう。
桜井真樹子
~ハイパー能「投石」2023公演概要~
■原作・脚本
桜井真樹子
■出演
シテ(パレスチナの少年、ダビデ):桜井真樹子
ワキ(イスラエルの少年):吉松章
ドラム:HIKO
サックス:坂田明
■ハイパー能「投石」2023公演概要
11月11日(土)18:30開場19:00開演
乃木坂Club CACTUS(東京都港区南青山1-15-18 リーラ乃木坂B1F)
https://www.clubcactus.jp/access.html
●料金:3,000円+1dr
●ご予約:まきこの会チケットサイト
https://www.sakurai-makiko.com/blank-6/haipano-toseki-2023
●チケットぴあ: Pコード522791
http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2339284
●ハイパー能「投石」2023 ホームページ
https://www.sakurai-makiko.com/intifada
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