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アーサー・マッケン著『怪奇クラブ』英国が舞台の雰囲気たっぷりホラー小説

ホラーが好きでネット上の怖い話スレを結構読み漁っていた時期があったのですが、ずっとネット上で探しているとこの話この前読んだなという事も多く……。

そんな時に本屋で偶然見つけたのが表題の『怪奇クラブ』。
帯に”名著復活 入手困難だった名作をお届けします”とあり、期待値がかなり高まります。

十九世紀ロンドン。
ダイスンとフィリップスという二人の英国紳士が、怪しい人物に遭遇したり不思議な話を聞いたりするうちに……というあらすじ。
意味ありげなプロローグ、章同士の微妙なつながり、最後まで読んで初めてわかる全貌と、結構楽しみながら読めました。
全部読み終わってからプロローグを読むと意味がわかる構造になっていて、月並みな表現ですが『二度読み必至!』な作品です。
古い作品だからか少し読むのに時間がかかるのとまだ完全に理解しきれてない部分もありますが、読んで良かったです。
ホラー描写は直接的ではないですが、それがかえって世界の裏に潜むものの存在を感じさせるようでよい雰囲気になっていると思いました。
ホラー描写そのものより裏にある事件のオチの方が怖いと感じたのは、いま読んでいるからかもしれません。

表題作のほか「大いなる来復」も収録。

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