9月「曼珠沙華のうた」⑪
姉との突然の別れに茫然としていた。最後に投げかけた質問の答えも結局、言葉として返ってはこなかったけれど、姉が最後に遺した1輪の白い花を手にそっと握ると、涙を拭って立ち上がる。キッチンの棚の奥を探り、適当なガラス瓶に水を注ぎ、先ずはその花を挿した。きっと何かしらのメッセージをこの花に託したのなら、この花を枯らすわけにはいかなかった。次に自分のスマホを取り出して、白い花の写真を撮って、SNSに投稿した。何でもいいから情報が欲しかった。自分でもネットで検索していると、SNSを通し