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『混ぜて焼くだけ!作業5分でさっぱりなめらか「チーズケーキ」』を解説します

レシピの解説してみます

クックパッドニュースで連載中の【準備10分以内で作れる、まいにち食べたい簡単お菓子 】が更新されました。
Vol.8は『混ぜて焼くだけ!作業5分でさっぱりなめらか「チーズケーキ」』なかなか魅力的なタイトルです。(タイトルは編集のUさんがいつも考えてくれます。Uさんありがとうございます。)

今日はどんなふうにしてこのレシピが作られていったのかを、書いてみたいと思います。

レシピを作るときに一番大事なことは?

お菓子のレシピを作る際に、最も大事なのは「このレシピを読む人にとってのプライオリティを考えること」だと思っています。この連載のテーマは連載タイトルそのまんまで「作業が10分以内」です。「簡単に手軽に気軽においしいお菓子を作れること」が最も大事なことなのでそこを考えながらレシピを組み立てていきます。

完璧なおいしさは目指しません。ものすごくおいしいお菓子って「材料」「手間暇時間」「技術」の3つが全部必要なことが多いのです。今回はおうちで気軽に作って、食べて、楽しい時間を過ごせる。そういういい塩梅なおいしさを目指します。こう書くと「おいしさをあきらめるということ?」と思う方もいるかもしれません。そうではなく「おいしさ」にはいろんな種類があると思うのです。すごくおいしくて、美しいお菓子って少し緊張感漂いませんか?食べる時もそれなりに準備がいるというか。そうではなくて、手作りならではの温かみのある、ほっとするおいしさがおうちおやつの醍醐味だと思うのです。

その代わり、材料の揃いやすさ、買いやすさ、手間と時間がかからないこと、その割においしい(手間暇時間に対しておいしさコスパのよさ)にはとことんこだわります。

チーズケーキってここがすごい

チーズケーキって本当に懐が深いお菓子なのです。技術力がそんなになくても、市販のものに近いレベルのお菓子が作れます。他のお菓子は技術の差がけっこう出ます。材料もクリームチーズは販売名にクリームチーズとついていれば何を選んでもおいしくできます。そこにプラスする乳製品はある程度までは適当でOK。ヨーグルトでも、生クリームでも、サワークリームでも違いはあっても、どれも良い感じに仕上がります。
ボトムもマストではありません。ボトムのあるチーズケーキはおいしいです。でも、なしのチーズケーキも物足りないではなく、あっさりな感じ。このあたりはチーズケーキ本を作ったときにたくさん研究していて、それがすごく役に立っています。(その研究結果をまとめたのがこの下記の本の巻末付録的な『チーズケーキパーフェクトノート』。これ、マニアック過ぎてみんな読まないかな、と思っていたのに意外と評判よかった。笑)

さらに巻末に自分ごのみのチーズケーキが作れるように、食材、道具を徹底的に調べたチーズケーキパーフェクトノートをつけました。好みの味、食感、サイズなど、あなただけのチーズケーキが作れます。

生クリームなし、ボトムなしのチーズケーキです

材料はとてもシンプル。どれも省けないくらいシンプル。

今回はボトムなしで生クリームも使いません。生クリーム使うとハードル一気に上がりませんか?ヨーグルトならばもっと入手しやすいし、今の季節にぴったりな爽やかな味わいになるのです。ただヨーグルトは少し水っぽさが出てしまうので、粉の量は通常のチーズケーキより少し多め。焼いて冷やすとなめらかでレアな食感になります。

クリームチーズを耐熱ボウルに入れます。レンチンしてそこに他の材料を計りながら加えて混ぜていくと洗い物も最小で済みます。薄力粉もふるいながら入れましょう。もしミキサーやフードプロサッサーがあるのなら、全部の材料一気に入れて混ぜても大丈夫です。
もし「なんかダマがあるー!」という状態でも流し入れる前に、ザル等でこせばどうにかなります。大抵のことはどうにかできる、このチーズケーキの包容力が大雑把な方にも優しいのです

甘さはほどほど、酸味もほどほど。みんなが食べてちょうどいいバランスです。酸味はお好みで加減してもいいと思います。

逆に省いちゃダメなポイントとは?

レシピにも書きましたが、混ぜて、焼いて、冷やすだけなのですが、この冷やすという工程があなどれません。焼いて、粗熱とって、冷やして寝かせてに半日くらいかけてほしいイメージです。ここ大事。ここは省けません。ボトムは省いても、ここは絶対。今回に限らずベイクドチーズケーキは「焼いてからしっかり冷やして寝かす」が重要ポイントです。半日も?と思われるかもしれませんが、ただ置いておくだけでおいしくなるなんて、すごく簡単ではないですか??そんなわけでここは必ずちゃんと時間をおいてくださいね。しっかり冷やされたケーキは切り分けもしやすいです。

断面も美しい!

「もっとおいしくしたい!」という人は

ヨーグルトを大さじ1減らして、レモン汁の後にコアントロー、ブランデーなどのお酒を大さじ1加えてみてください。薄力粉も大さじ1足しておきましょう。リキュールの威力って本当にすごくて、ちょっとの量でも、入ると味わいに奥行きが出ます。あとは同じタイミングで、レモンの皮のすりおろしを1/2個分くらい加えるのもオススメです。爽やかさ度が上がります。リキュールも、レモンの皮も揃えるのは少し手間ですけれど、その分のお仕事はきちんとしてくれますし、香りの威力てすごいな、といつも思います

基本のポイントさえ守れば、あれこれいろんなことを考えなくても、それなりにおいしくなるのがこのレシピのいいところ。おうちにオーブンがある人はぜひ、試してみてくださいね。

今日のおやつはチーズケーキとアイスコーヒー

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