◎マンガ『虫かぶり姫』~9巻

本から知識を得た“虫かぶり姫”と王太子のラブロマンス。

私がこの作品の好きなところは
①主人公のエリアーナが無類の本好きであることに親近感が湧く
②本から得た知識を自分の中で練り直し、応用しているシーンが多く描かれている
③徐々に感情を出していくエリアーナの成長が分かりやすい

①に関しては、本が好きすぎて他人の心を上手く読み取っていないエリアーナの姿が、1巻の頃から描かれていたり。
(それって王太妃候補として如何なものか…という感想はさておき)
③にも繋がるけれど、そんな彼女が巻を重ねると、嫉妬して泣いている様子や、以前自分が取った言動が少し異質であることに気づき始める。

元々、感情の起伏が少なく淡々としている姿が描かれているから、徐々に人間らしくなっている。

②に関しては、豊作と軍事牽制の関連性だったり、軍事予算が浮いた分の使い道だったり、インプットしたものをアウトプットしている姿がとても印象的。

本から知識を得る→疑問を抱く→類似の本やデータを元に比較する→自分の中で1つの解を出す→他者に伝える・討論する

彼女が物語を通して行っているインプット・アウトプットは、見習うべき。

そもそも、私自身が世界史や日本史を「生きた人間の生活」であるという感覚が持てず、単に教科書の中の出来事・暗記事項としか思えなかったタチなので、物語に反映されると想像が膨らむから納得感が得られる。

学生の頃は日本史選択で、世界史をあまり勉強していなかったから、学び直したい。

好きな理由を3つ挙げたけれどハーレム感は否めないのと、
エリアーナ自身の性格が必ずしも女性から好かれるタイプではないので
(というより焦れったく感じてしまう)
好みとしては分かれるのかもしれない…という印象。

画力がとてもある作品なので、特にカラーの表紙だけでも見て欲しい。

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