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推し変しないでーアイドルとファンの心の駆け引き

日向坂46は、4期生の発表が毎日続いている。
5人目が発表され、それでもまだ7人残っている、という状況。

一方で櫻坂46も11月には3期生が決まる。
となると、早くて2nd Anniversaryあたり、もしくは新年早々の発表が考えられる。

メンバーにとっておそらく相当気になっていることは、まだ対面を果たしていないのならば、どんな子が入ってくるだろうということであるのは間違いないのだが、それと同じくらい、自分のファンが推し変しないかどうか、ということにあるのではないだろうか。
確かにこれはメンバー個々にとって死活問題になりかねない。
握手会、現ミーグリの売上にも影響を及ぼすし、自分たちのポジションに新加入のメンバーが入る可能性も出てくる。
そうなれば、自分のポジションは上がるのか、下がるのか。
それとも…

必然的にこういう競争原理が働くことによって、例えばアイドルグループは仲が悪い、とよく言われたりする。それは確かに、昔のアイドルグループに所属したメンバーが「あのとき実はこうだった」という暴露話をよくすることに加え、女子は特に裏で何をしているかわからない、という固定観念が原因であるような気がする。
だから芸人がアイドルと共演するときに「仲いいの?」と聞き、それを彼女たちが否定すると「そう言わないと仕方ないよなー!」という弄り方をする。まぁそれでその場が盛り上がればそれでいいのだけど、笑いのセンスとしてどうかなぁと思うことはある。

メンバーが考えないといけないことは、こういうとき大きく分けて二つあるように感じる。
一つは自分の人気面。
握手会やミーグリの売上が、ポジションにどこまで影響しているかは定かではない。ないけれど、そうかもしれないと思わせるものは確かにある。その可能性を考えないわけにはいかないので、ミーグリを買ってほしいと宣伝したりする。そもそも、新メンバーが入る、と分かった時点から、彼女たちの頭の中には、そのことに対する心配や不安はあったはずなのだ。自分を推してくれているファンが、推し変して新メンバーを推すようになるのではないか。新しく入ったメンバーのミーグリに行ってしまうのではないか、みんな離れてしまうのではないか…そんな心配は私でも想像できる。

ただ一方で、忘れてはいけないことがある。
それは、グループとしての人気面や発展性、何より新規のファンを獲得することである。
新メンバー加入は、話題性の点で言えば申し分ない。そもそもアイドルに興味のない人にとっては日向坂46というグループの存在すら知らないかもしれないけど、そうではなく、アイドルは好きだけど日向坂はあまり見てなかった、という層を取り込むには絶好のインパクトではないのか。そういう意味では、新メンバーを前面に出すことは、日向坂46新章スタートの宣伝には恰好の材料である。
そしてそういう意味での許容は、日向坂メンバーは全員できるはずなのだ。

とはいえ、自分のファンにはどうしても甘えてしまいたいもの。
日向坂46の有料アプリであるメッセージでは、既に「推し変しないで」という意味のトークを送ってきているメンバーもいると聞く。

それはもちろんわかるのだけれど、ここでもう一つ考えておきたいことがある。

日向坂がこの新メンバー加入によって、新規のおひさまを大量に獲得できる、というなら話は別だけど、そうでないとしたら、4期生のファンになる人は大抵既存の日向坂46ファン、つまり現おひさましかいない。
そんな彼らが誰一人推し変はおろか、推し増しすらしないということになると、4期生には一人もファンがつかないことになってしまう、という現実もそこに横たわるのだ。

ただ、この「推し変しないで」には、メンバー側の相当高度な戦略もあるとみている。
ジェラシーを感じていると敢えて表に出す。見せるか見せないかという絶妙な嫉妬の表明、繋ぎ止めようとするそのあざとさがいかに可愛いかを知っている。そんなあざとさを好む人が多いことを、メンバーはよく知っているのだ。
だから本気で自分のファン全員に推し変するな、推し増しも許さない、という独占欲の強さのようには私には思えない。
「推し変しないで」と言いながら、しっかりと自分をアピールする場に変えている、ということではないかと思っている。

一方で、ファンの側も、4期生とどういうスタンスで付き合っていくかを考えさせられる時期である。
まだ全員が発表されているわけではないとはいえ、12人もいれば個性も12とおりあると思って間違いない。
一とおり出揃ったとき、それでも「自分は単推し貫徹!」というスタンスなら、それはそれで立派である。メンバーが最も嬉しいのはそういう推し方であるはずだ。
でも、もしそこで推し増しが起きてしまったとしても、私自身はそれは仕方ないことではないかと思うのだ。
それだけの魅力がある、ということなのだから。
日向坂46という、魅力的な個性溢れる集団に合格する人なのだから、当然魅力的な人に決まっている。逆に言えば、その魅力が早くもその人に届いたということなのだ。

推しメン・富田鈴花は、今のところ「推し変しないで」的なメッセを送ってきていない。どちらかというと、純粋に後輩がまた増えることを楽しんでいると見える。とはいえ、内心穏やかではない可能性は高い。

私自身は、まだ全員出揃ったわけではないのでそのスタンスは決めていない。
でもこの、メンバーとおひさまの心理戦というか、駆け引きがとても微笑ましく、それも日向坂46を取り巻く空気の一つなのだろうと感じている。



日向坂46、新章スタートはまもなく。



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