#24 ちょっと寂しくなって

楽しい予定が目の前に控えているとき、待ち遠しい気持ちになると同時に、その予定が終わってしまった後の寂しさを先取りして想像してしまうようになった。

前向きで楽しみな気持ちが強いときほど、じんわりと胸に滲みる寂しさも大きい。いざその予定が終わって、本当に寂しいと思ったときのショックを和らげたいと無意識に自己防衛しているのか、最近の私は、一つの予定に対して楽しさと寂しさを二度体感しているのです。

東京の毎日はそれなりに忙しい。平日は資格の勉強、仕事、ごはん作り諸々であっという間に過ぎるし、土日は会社のテニス部の練習に参加したり、夜ご飯を誰かと食べたり、一日中プレステの前に座ってることもあって、二晩寝たらまた月曜日だ。そんな充実した日々を送ることが「できている」と感じる一方で、ひとりで生活することの孤独感を埋めるために予定を詰め込んでいるんじゃないかって、何となく気づき始めている。もちろんひとりで何かにのめり込む時間も大好きだけれど、それはLINEや電話で誰かと常に繋がれるという安心感があるから好きでいられるのかもしれない。
自分の精神が健康的に生きていく上で必要としている人たちは、たったいま、東京にはいない。

東京での私は、常に孤独とたたかっている。

年末年始帰省すると、大切な人たちに会える。飛行機のチケットは3ヶ月以上前に購入して、カレンダーに帰省日までのカウントダウンを書き込んでしまうほど、ずっとずっと楽しみにしてきた。

期待通り、今年の帰省もとても楽しい。家族と一緒にご飯を食べて、姪っ子甥っ子と飽きるほど遊んで、92歳でピンピンしてるおばあちゃんと会って、のんびりした田園風景を見て、大切な人と美味しいお肉食べて、YouTube観ながらゴロゴロする。ここには、東京で感じるような孤独さがない。

福岡でこんなに素敵な人たちに囲まれた非日常を過ごしていても、やっぱり想像してしまうのだ。飛行機に乗って、東京に戻ってしまう自分を。羽田空港に降り立って、最寄駅近くに停まるバスに乗り、会社の寮のドアを開ける自分を。あぁ、またひとりだ、と思ってしまうだろう自分を。数日後に絶対体感する寂しさを、私の脳はわざわざ感じさせてくる。

寂しさや孤独感をしっかりと受け止めて、目の前の楽しさだけを純粋に楽しめるようなポジティブさを持って生きていけるようになりたい。寂しがるばかりじゃなくて、一人も好きだし、誰かといるのも幸せ、と感じていたい。いつまでひとりなのかな、って未来を悲観するんじゃなくて、今現在ひとりじゃないという事実で自分を満たしていたい。

さっきまで私の心をちょっと蝕んでいた孤独感が、このノートを書いてるうちにちょっと小さくなった。上段落で、こういう風に生きればきっと幸せだって、やっと言葉にできたから。

とっても大好きな福岡での日々ももうすぐ終わる。
今度は前向きに東京に戻りたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?